ENo.0349　ラキア・パラミダス

全滅するかもしれない、という危惧をよそに私の部隊は敵を一蹴した。

慎重に行動し過ぎて出遅れた私は、その様子を見て歯噛みする。
見誤ったか。味方機の動きが軒並みよいのは、どうやら霧笛の塔からもたらされた新技術のおかげもあるようだ。

心配していたわけではないが、コークスの機体もほとんど無傷で帰還しているようで胸をなで下ろす。
どうやら私の言った通りに動いてくれたらしい。
今回の私の戦術は、コークスの求める英雄的な騎士らしさとは程遠く、彼は私に失望したかもしれない。
けれど、私からの、戦場のバディとしてのコークスの評価は、まあまあ高くなった。

（なぜ、コークスはあんなに自分の命に頓着しないのだろう？）

この時、フレイド・コークスという人間について、少し興味が沸いてきたことに私が気づくのは、もっとずっとあとのことだ。

鉄の騎兵を駆る騎士のためのユニオン。
とある王国が買い占めた土地に建つ巨大な要塞『エクゼター』を本拠地に活動をしている。

ユニオンメンバーになるには、騎士としての十分な名声、もしくは一等以上の位をもった騎士による推薦が必要。
シンボルマークは、青地に銀のガントレット