ENo.0113　ブラック・タグ

　いずれ失われる叡智を電子頭脳として保存できたらどんなに素晴らしいものだろう。
　過去の経験、柔軟な発想、高速の思考。
　それらが永遠に残されるのだ。
　人類の発展には常に一握りの叡智で行われてきた。

　実現不可能な不老不死とは違い、電子頭脳化は現実的な計画であった。
　問題は一人の人間の頭脳を保管しうるコンピューター、その容量は膨大なものであった。
　量子コンピューターが未だに存在しない残像領域において新たな技術が必要となった。
　だが、若き一人の天才学者によってその問題も解決に至った。
　本人曰く、「二次元面を折り紙のように擬似三次元として扱うのがコツ」などと言っていたが。

　現実的な電子頭脳化計画。
　パスクワ機関はもう一つの計画を水面下で進行し始めた。
　一体何を行うかだって？
　電子頭脳化が出来たんだ、だったらその逆も可能ではないか。

　そうだ、言ってしまえば回帰だ。
　もともと僕達が目指していた不老不死へのね。

　死にゆく肉体を捨ててその頭脳を電子化して保護し、新たな肉体へのインストール。
　完全なるリバイバル。

　そう僕達が目指す『復活祭』さ。

当機関は残像領域における医療情報機関です。
人工知能による新型医療情報統合システムの技術研究を嘱託されています。
現在進行中の「■■■■■計画」は――

――故ニヨり中断――
――――――からの出資は停止されタタめ規模を大幅に縮小しておリマス。

霧侵食により施設――――棄シマシタ。

――続セヨ――継続セヨ――

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※ユニオン活動は「制御*5」、「素材+1」で固定されます。