ENo.0249　キース・コリンズ

デバステイターユニットとか言う兵器がある。

所謂オーパーツ……この世界で俺らみたいな地べたを這いずり回って生きる連中にとって未知のテクノロジーらしいそいつは高性能を謳うH.C.S.をもってしても完全に制御は出来ないらしく、領域殲滅兵器を運用しているライダーの悩みや試行錯誤は怨差のように俺の耳にも届いている。

有志が集めたデバステイターユニットの運用記録を写したパソコンのモニターを眺めながら、スキットルに常備してある安酒を舐める。

このデバステイターユニットの走りは、たしか、

「ミストアヴェンジャーⅡ、だったな」

思わず口をついたその名前に、自分で懐かしさを覚える。舌の上で転がす安いウィスキーは無駄に苦い。

ミストアヴェンジャーⅡ。前回の紛争の末期に突然現れた試作型のウォーハイドラ。見たこともないようなイカれた兵器を積んだソイツが暴れまわったことにより紛争はうやむやのままに終わり、その正体もわからないまま今に至っている。

デートをしようーーー。

ヤツはまるで壊れたレコードのようにそう垂れ流していた。

それはひどく人間臭いセリフだが、繰り返される全く同じ愛の言葉とそれとは裏腹の容赦のない領域殲滅兵器による蹂躙は寒気をすら覚える不協和音のようだった。

しかし、今思えば……。

（アイツもアレか。残像ってヤツなのかね……）

戦場に流れる二束三文の噂話。亡霊の乗る流浪のウォーハイドラ。

それはまさしく残像であり、このしみったれた領域の記憶が再現した現世にこびりつくシミみたいなもんで、そこに本人の意思はもう存在しない。

だが。それでも。ソイツが存在していた証なのだ。

「アイツは一体誰の記憶だったんだろうな」

自分で呟いておいて実にとりとめもない思考だったことに気づくのに時間はかからなかった。

デバステイターユニットが思い起こした思い出。そんなもの考えても仕方ない。

それでも……胸騒ぎがするのは今回の任務が全くもって何もわからないまま戦場に放り込まれるからだろうか。

ふたたびウィスキーを煽る。口腔を流れて行くそれは、苦さと焼けるような味を後に残した。


【キースの手記】

良かれ悪かれ昔馴染み、ってのは厄介なもんだ。割りと知られたくねえ俺の過去を知ってる場合がある。
うどんのオッサンがまだこの残像領域にいたのは驚きだが、あのフザケくさった屋台はどこ行ったんだろうな。

そういやプライベート回線がホモで混線してるのはいつものことだが、お偉方のオペレーターとやり取りするための仕事用の回線までおかしくなってやがる。
メフィルクライアのヤツは無事なのか……。

マーケットの片隅に存在する、トタン屋根の小さな休憩所。
入り口は常に開け放たれており、その横には「タバコは外でお願いします」と書かれた貼り紙と共に
「白刃」と刻まれた金属製のプレートが取り付けられている。
部屋の中央には鉄の花が挿された花瓶が乗った大きなテーブルと、それを囲むように置かれた椅子があり、
壁側の棚にはウォーターサーバーやコーヒーメーカーなどが設置されている。
ここを訪れたハイドラライダーは、皆思い思いの時間を過ごしているようだ――

格闘火器使いのライダーが集う休憩所が賑わい、情報交換の場となった……というイメージです。
情報交換の他にも雑談や休憩など、ゆるめのRPも歓迎します。
設定上同じ場所に集まってダベるだけなので、RP上特定の企業や集団への所属を強制するものではありません。

◆説明
├格闘型同士わいわいやれたらいいね！という方針のユニオンです。
├ユニオン活動はずっと【格闘*5】、ユニオン購入はずっと【機動力+3%】。
│ユニオン購入費は参加者人数によって変動しますが、恐らく【100-(設立者除く人数*2)c】。
├メンバーの誰かが死亡してしまった場合、該当者の参加許可を外し、
│空いた枠で随時新たな参加者を募集する可能性があります。ご了承ください。
├【101ユニオン】での交流も歓迎いたします。
└詳細・参加申請・設立者への連絡は下記URLにて。
　http://privatter.net/p/2238181