ENo.0535　クロノワール・ナイン

――死にたくは、ない。
だから私はやることをする。

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要塞攻略がまた行われる――という連絡が来たのは何時だったか。
ハイドラ乗りが4つのミッションからではなく、全て同じ戦場へ、上が決めた区画ごとに別れ、攻略戦を始めていく。

幸いにも、今回は私が無理にダメージディーラーになる必要は無いようで。ならば、と機体のアセンを一新させる。

多脚と言われる脚部でタンクを捨て、そして今まで好んで居た砲塔も捨てる。
……砲塔を捨てる、というのには勇気が必要だった。なんだかんだで、あの振り回される感覚にも慣れて来たところだったのだけれど。

代わりに、自分のお守りとはいえないけれど。
久しぶりに、狙撃砲を積む。

……これで敵を狙い撃てば、良いだけ。いつものように、狙い撃つ。
昔を思い出せ、幼いころの記憶を、はじめて銃を持った時の感覚を。
初めて動物を撃ち殺したときを。
――人を、スコープから覗いて、標準を合わせ、銃爪を弾いたときを。

思考がクリーンになっていく、洗練されて、空気の振動すらをも感じ取れるようになっていく。

ピピピピピ、とアラーム音が鳴り響き、部屋をでなければならないことに気づく。


「……時間ね、行くわ」

「生きて、帰る」


いつも肩に背負っているの愛銃である狙撃銃を机の上に遺して外に出る。
絶対にまた、戻ると誓うために。

星を撃ち落とすように――
そして、一瞬の流れ星のように。


我らは撃つ。