ENo.0093　メーネ＝"クルーク"＝フライス

第19週。記：メーネ＝フライス。

バイオスフェア攻略戦で大破させてしまった私の機体だが、
次の週、そして今週にはもう完全な状態で復元されていた。
整備班のメンバーはほぼ全員が若い。最年長でも20代中盤くらいだろうか？
最年少で、中卒――とか言っていた気がする。15か16だ。

そんな若いメカニックだけで、この機体は十全な整備ができる。
それに加え、成人男性が乗り込むには窮屈な操縦棺、全体的に部品点数の少ない機体。

私は、ある仮説を立てていた。
この機体は、女子供や老人でも運用できるように設計されているのではないかと。
「廉価でありながら、それなりの働きができるハイドラ」という設計思想そのものに嘘は無いのだろう。
だが恐らく、主要な顧客として想定されているのは、そうした――
正規兵では立ち行かない組織などではないだろうか。

これが例えば、霧の向こうから得体の知れない化物がやってくるのをなんとかする為だ、とか。
そういった理由で販売されるのであれば私も文句は無い。

…しかしもし、対人間を想定して作られているのであれば。
人間を相手に、少年兵が運用することを前提として作られているのであれば。

そう思うと、この機体が少し薄ら寒いものに思えてくるのである。

兵器メーカー、畝木（うなぎ）重工が管理する広大な射爆場です。
この度、社員以外の一般の方々にも解放させていただく運びとなりました。
弾薬やターゲットドローン等は当社負担で提供致します。
射撃能力を伸ばしたい方、無料の弾丸をとにかくぶっ放したいだけの方、
資格は問いません。どうぞご参加下さいませ。

※スペースと当社予算の関係から、募集は先着で限定10名様となります。
※ユニオン活動は射撃×5の射撃特化ユニオンとなります。
※破壊したターゲットドローンの残骸は買い取りしていただけます。
　ドローンとは言え、当社自慢の逸品です。
　残骸から何かしら有用な部品が入手できるかもしれません。
　（ユニオン購入は素材+1となります）


※射爆場内での射撃・機動のデータは畝木重工が観測・記録し、
　当社製品の技術開発に転用させていただく場合がございます。