ENo.0607　С-28 ЯСТРЕБ

私の右手には地に濡れた刃物。
そして、目の前には赤に染まった白衣の男性。


あぁ、そうだ。わたしはこの手で『彼』を殺めた。
――何故？それは『彼』がわたしを裏切るようなことをしたからに決まってる。
――そんな理由で？そんな理由だからこそ、よ。

だけど、よくみたら、わたしのむなもとも、あかくnatte......


記憶を捏造するんじゃないヨ。事実だけを残しておかないとさ、ダメなんじゃないかな。


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私がはじめて、この戦場で産まれた場所に戻っていた。
誰もいないはずの格納庫。だけど、そこはわたしの存在が再び現れることがわかっていたかのように、設備が整えられていた。
四ヶ月も経てば、ホコリまみれになるのはだれでも想像ができる。だけど、こんなわたしでも快適だと思えるのだから……。

格納庫に残されていたデータ、素材を元にアップデートを行う。ここにちゃんとした人間の整備士が居たら、もっと細かいこともできたのだろうけど。
そして、格納庫のトビラを開けクレーン伝いに外へ出ると、多次元可変翼のブースターを点火させ、霧が立ち込める大空へと羽ばたいて行った。