ENo.0206　モニカ・フランクリン

　攻撃戦果ランキング六位、総合戦果ランキング四位。
　前回より攻撃戦果は落ちたけど、その分防衛の方が稼げたらしくて総合は同じ四位。
　防衛戦果に関しては意外というか、正直全然何も意識した覚えがないんだけど、要するに前に出て敵の攻撃を引き付けていたぶん友軍への被害が減ったことが評価されるとかで、そういうことらしい。あと戦場全体の話というか、戦いがすぐ終わったし撃墜された人も出てないってことは損耗も抑えられたってことになるだとか、まあそういう感じの総合的なのもコミコミで。
　なんにせよ。なんにせよせよ。

「よーし。よしよし！」

　タブレットを膝に置いて、ぐっぐっよっしゃと一人ガッツポーズ。
　前回一度きりのまぐれじゃなくて、ちゃんとちゃんと多分実力だってことで、これは胸を張っていいやつだと思う。多分。
　まぐれだったとしても流石に二回連続まぐれ拾えるんだったらまぐれを拾える才能があるのと方向性は間違ってないのは確かなわけだし。

「えへへ。えへへー」

　あんまり浮かれるのもどうかと思うけど嬉しいは嬉しいので仕方ない。
　次の出撃は戦場の様子が色々変わるとかなんとか聞こえてくることもあるし、今のままでは通用しないんだなってのはなんとなく私が聞き齧ってるだけでも分かりはするんだけど、少なくとも今この戦場でそれなりの最適手を打てて、その上でちゃんと立ち回れてる、というのは間違いないと思っていいはずだし。
　嬉しい。うまくいくことは。
　自分でもやっていけると証明できていることが。

　――私だって、一人で、
　――あんたなんか！

「…………」

　でも、一人、ではないことは知っている。
　自分の力で生きることと、一人で生きることが違うことを、もう。

　次回のアセンブルを改めて見直す。色々考えて、一時的に二脚に戻してみようと思ってる。かねてから考案されてた技術が実用段階に達したとかで、格闘型ウォーハイドラに新しく実装される機能を試すのにそちらの方が都合がいいとかなので。
　コンテナに収まった自分のウォーハイドラを見上げる。私の愛機。ヘリオトロープ。花の名前、青紫の軽量機。頼れる私の相棒。
　最初は中重量型の二脚機だったけど、どんどん身軽さを追求していって、速く動き回れる逆関節に取り替えた。で、今度はまた二脚。振り回して申し訳ないとちょっとだけ思うけど、戦場は刻一刻と変わるものでして。

　でも、どんどん軽く、速くなってる。私がそれを望んでいるから。
　戦場を駆けるこの脚を。速く、鋭く、強く、何もかも打ち倒す力を。
　あの戦車型ウォーハイドラの支援を受けて、迷いなく進み駆け抜ける機体を。