ENo.0517　スタニスワフ・クビツァ

『コロッセオ、ですか』
「なんだ、不満か？せっかくの、おニューの機体のお披露目会だぞ？」
『いえ、もう何も言いません』
「何も言ってくれないのは困るな。質問されたら返事ぐらいはしてもらわねえと」

『……戦いそれ自体が生き甲斐、と言っていましたが』
「ん？どうした？」
『それはこの残像領域では、幸せなことかもしれません』
『この残存領域では、死んですらも、戦うことができます』
「ああ、そいつは半ば察していた」
「撃墜された奴が特徴もそのまんまに出てくる……まさに残像、って感じだな」
『それだけでは、なくて……』
「ん？」

『貴方が望むのならば、貴方の脳を、生体デバイスとすることも可能です』
「ほー」
『私たちは、その技術を持っています』
「っつうことは、お前も」
『はい』

「運が良いじゃねえか」
『そう、思いますか……私は……』
「今生きていられるんだろ」
『……？』
「死んでいるはずの奴が、こうして今俺と元気に話をしていて、戦場に出ている」
「運が良いとしか、言い様がねえな？」

「で、どうするんだ？」
『……』
「せっかく生きているんだ。より良く生きねえと損するだろ」
『私は……お付き合いします』
『貴方を殺さない、為に』
「よし、良く言った！死んだらまた会おうな！」

適性ゴリラです