ENo.0206　モニカ・フランクリン

「はー……」

　ペンを転がしてテーブルに突っ伏す。
　ユニオン設立は、えーと、一応届け出を出したつもりだったんだけど不備があったのかどうなのか前回の任務には間に合わなかった。というオチがついてしまった。ちょっとテンションあがりすぎたかな。いや私のミスです。最初から最後まで私のミスだけど。
　でも、だってまあ、メシおごるって言われたらまあテンションはあがるし。しゃーなししゃーなし。

　それはそれとして。改めてペンを拾ってタブレットに向き合い。
　なんだかんだ流れと勢いでハイドラライダーになって、そのままキリトさんに色々教えてもらって面倒見てもらって、今はそこそこ、ちょっと最近は多少不調だけどまあ戦果ランキングに顔出せるくらいになれてるのは多分新人の割にはがんばってる、次はもっとがんばる、くらいになれてて、まあ今まで結構流れでそんな感じでやってきたんだけど。
　やってきたはいいんだけど、まあ、自分の不勉強は不勉強でそれなりに思い知ったので。

「めっちゃマジかよって顔されたもんなぁ」

　ユニオン知らなかったって。いやだって入る機会なかったし。
　その他にも、なんか最近そういう、コロシアムとかいう催し物も出てるとかで、それも私は知り合いのライダーさんから聞くまで知らなかったし。同じく近接型のライダーさんで、パイルどう？　って言われてちょっとオススメしたけど、なかなか難しかったらしかった。うーん。難しいかー。
　って話題が逸れたわけだけど、そんな感じだから、まあちょっとは腰据えて色々勉強した方がいいなと思ったわけです。調べたり。なんか。

「……ごはんおごってもらうわけだし」

　それだけじゃないけど。
　私はまだ全然知らないことが多いし、分かんないことだらけだけど、それはキリトさんが教えてくれてないからじゃなくて、キリトさんはいっぱい教えてくれてる。知らなきゃいけないことが沢山ありすぎるのと、私がまだそういう、調べる技術がないのが悪いわけで。
　じゃあそれを補う程度には、自分で色々試してみるしかないわけで。
　覚えていくしかないわけで。

「……うん。がんばるぞー」

　ぐっと拳を握って天井に突き上げた。
　がんばるぞ私。がんばるぞモニカ・フランクリン。
　胸を張れるだけのハイドラライダーを目指すのだ。

ひとりでもユニオン。