ENo.0276　ローデット・ダイス

チカがバルトのおっさんが索敵が足りなくなるだろうからとパーツを貸してくれと通信がきていた。
言われたとおりの頭のパーツを見ながら戦場に行く前、アセンブルを軽く見ていた。


「大丈夫かね、あのおっさん……」


「人のことより目の前の戦場見ろよ、今回は相方も違うんだから」


「わかってるよ、だから自分の調整が終わった後に見てんだろうが」


こんなことならもう少し性能のいい頭部作っておくんだった、と今更思っても後の祭りだ。
おっさんが負けないように祈っとくしかねえか――




というのが先週の出来事。
ああいう場所にやはり慣れていたのか、バルトは見事勝ち残って戦果をあげていた。


「よかったなあ、無事に勝ってたみたいで」


「……」


「どうした？自分がいなくても勝てたから悔しいか」


「なあ、このファイトマネーやばくね？」


「は？」


「コロッセオやばくね？こんな報酬入るんだったら私だって行きたいわ」


「そこなのか、お前僚機が勝ててよかったとかそういうのないの」


「あるけどこれ見たら行きたくなるじゃねえか」


「……んじゃバルトさんに言ってこい、戦うのは自分じゃねえから知らねえよ」


そう言って大きな溜息をつかれた。
こいつのことはともかく、バルトにコロッセオに行けるか聞いてみるとしよう。
とはいえ、行きたいとか言ってもいいとは言われるだろうがいい顔はされねえだろうなあ。
こっちのことを考えてもらった上でのことだから言われたときは大人しく聞くしかねえんだけど
聞いてはいそうですか、って納得するのはまた別の問題だし。


「よし、そうと決めたらおっさんに通信してくるわ」


「お前マジで言ってんのか……」


「悪いかよ、じゃあな」




そしてその時に一緒にコロッセオの勝利おめでとう、って言ってやろう。

とあるものを求める為の集まり場。
それが何であろうと構わない、情報収集の場でもある。


制御*5、ユニオン購入は適当