ENo.0467　アクト=ユーティレス

ある大都市の地下に存在する巨大な空間。その場所を調査しようとしている部隊を襲撃し、妨害を行うのが今回の任務だ。
空間という割には比較的入り組んでおり、そこかしこに身を隠せそうな遮蔽物が存在する。

エリカ「そちらの周辺は常に確認しています。何かありましたらすぐにお知らせします」

目視に集中しつつ、見えない部分は優秀なオペレーターである彼女に任せる。
いつでも応戦できるように周囲を警戒しながら先へ進む。
やがて中ほどに来た時だった。

エリカ「反応あり、近くにいます！」

報告を聞くとほぼ同時に敵からの攻撃が来る。
即座にブースターを稼働させ、回避行動を取りつつ身を隠す。
その直後に弾が機体のあった箇所へと着弾する。
それを合図に各機が散開し、各々の判断で反撃を開始する。
何度かの撃ち合いが続いたが、次第に壁が破壊されたりするなどして隠れる場所が少なくなってきた。
味方の被弾が目立ってきた辺りで、別の作戦を使うしかなかった。
周囲を確認すると、身を隠しきれていない味方が攻撃を受けようとしていた。
すぐさま飛び出し、盾を展開しつつ自機を間に割り込ませる。
激しい衝撃が襲うが、まだ転倒するほどではない。
後方の味方が無事なのを確認してから反撃を開始。
しかし自機を狙わせるためにあえて身を隠していないため、多方向から一斉に攻撃が来る。
避けきれないものや、味方を守るためにわざと攻撃を受けたりするなどして徐々にダメージが蓄積していく。

エリカ「残りAP30%、無理はしないでください！」

既に盾はボロボロであり、攻撃を防ぎきれていない。
機体の所々で火花が散っており、限界が近いことを物語っている。
それでも敵は確実に減っていて残りはわずか。
多少無茶をしてでも味方の損害は減らす。
その甲斐あってか、なんとか大破せずに敵を全滅させることが出来た。

エリカ「周辺に敵影なし。任務の完了を確認しました」

エリカの報告を受け、出口へと戻る。
輸送機は既に手配しているとの事だ。

エリカ「全く、久々に肝を冷やしましたよ……」

久しくエリカを心配させてしまったようで、少々ご機嫌ナナメらしい。
後で埋め合わせをしなくてはならないだろう。

エリカ「それではお気をつけて帰ってきてください」


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数日後、通信端末から鳴り響くいつもと少し違う音。
重要な任務が来た合図だ。
エリカが中身を確認。

エリカ「ストラトスフェア要塞攻略が行われます。どうやらミサイルでの攻撃のみですので、それを耐えきれば後は楽との事」

重要な要塞という割にはどうも簡素な防衛戦力だ。果たしてそんなものでいいのだろうか。
何はともあれ、やるべき事をやる。それだけだ。
機体の調整に向かおうとしたところ、ふと袖を引っ張られる。
視線を向けると、普段無表情な少女が心なしか不安そうな表情をしている気がする。
安心させるように頭を撫でると、ほんの少し口元が和らいだ。

少女「気を付けてね」

必ず帰ってくる事を約束して、戦地へと赴く。