ENo.0158　ルオルカ・マーマレイド

｢あれ、アマくん？｣

いつも通りの出撃のはずだった。作戦は要塞戦。指定位置につき、ミサイルキャリアー……空中要塞含む部隊の迎撃を行う。
｢普段より激しい戦闘になるかも知れない｣からと、ややアセンブルを防御よりにして、意気揚々と出撃したのだったが。

｢……アマくん？聞こえてる？……？｣

電磁嵐を抜けた途端、僚機との通信が途絶えた。咄嗟に上空を振り仰ぐも、見慣れた四角形を見つけることが出来ない。
索敵、もといレーダーはこの機体……マスカドルには積載されていない。戦場はもう目の前だというのに。冷たい汗が背筋をつたう。

｢リカ？アマくんたちとの通信が途絶えたのだけど……｣

本部への通信。あちらからなら連絡もつくだろうと――

『……んのバカルカ！一体どこに迷い込んでいたのですか！』
｢……へ？｣
『予定進路より大幅にズレてます。いったいどうやったらジャンガーダの索敵範囲を抜けるほど迷子になれるのですか！』

……どうやらはぐれていたのは自分だったようだ。

『アマタさんからは既に通信が入っています。戦場付近でダーウェンさんらとも合流出来ているようですね』
｢……僕はどうすればいい？｣
『幸運なことに貴方の目の前の戦場に、リオットさんがいることが確認出来ています。……ロウシャさんは確認出来てません、彼の機体は捕捉が難しいので……、ひとまずこの戦場では、一時的に協力していただきましょう』
｢了解、さっさと終わらせてアマくんたちに謝らなきゃ……｣
『その後に反省会が待っていることをお忘れなく』
｢わかったよ｣
『……戦闘区域に突入します。戦闘態勢に移行してください。……ご武運を、ルカ。Godspeed』
｢『Godspeed』……リカ、戦闘中は小言は控えてくれよ？｣

――霧の向こうに、空中要塞が浮かび上がる――

何らかの理由によりハイドラに縛りつけられたライダーが集まる。掃き溜めとも言う。
　
一部メンバーの素行不良により世間からの評判は芳しくない。

音楽専念。