ENo.0535　クロノワール・ナイン

最近、首筋がゾワッとして、疼くことが多い。

「このまま、アイツと一緒に居て良いのか？」という疑問符。
実験のため、コロッセオにもとめていた刺激が無いと言い、今までの名誉を捨ててまで原隊の行動に復帰した私達。
ハイドラライダーに名誉などは無い、そして箔はもう十分に付いただろう。
ならば名誉欲は無いとして、やはり刺激が足りない。これに尽きる、ということか。

「――そうして、また死ぬの？」

わからない。けれど、私たちは殺している。だから殺されもする。死ぬのは良い。だって地獄から開放されるのだから。死にたくない。だって死んだら終わってしまうのだから。


「私は、何がしたいの？」


企業連盟もきな臭く、ハイドラ大隊の上も何を考えているのか、よくわからない。
私は単なる傭兵だ。他のハイドラライダーたちと違い、あくまでも自分の意思は無く、ただそこにある銃でいい。

「――本当にそうなのか？」

「私は一体何だったのか？」

……答えは、見つからない。
ただ、この先に何かが見えるのかもしれない。
ならば――……


「ま、簡単なコトよ。私は傭兵であり、それ以上でも以下でもない」
「この先に答えがあろうとなかろうと、私はそうして生きていくのだもの。

星を撃ち落とすように――
そして、一瞬の流れ星のように。


我らは撃つ。