ENo.0667　ラピュリメント＝バーキュラ

霧戦争#30
【額に入った写真を見ながら作業をしている】

収支の計算。
先日の終値5618c(+1000c)で6618

依頼関係（-2622）
エンジンＡ：-1700　豆子さん(強度48薄装甲)作成
棺Ｂ　　　：-922　ことのはさん(強度47薄装甲)代理購入

ロウシャさんから
先日作成依頼した重ブースターが届く。
（追加購入して装備更新はきっちりと）

マーケット購入(-2440c)
重ブー『Carinae』605c
粒子ブレード:Raub765c
レーダーB:『ヴァンデミエール』1170c

次回のマーケット広告にあったエンジンＢは買い確定。

脚部の更新はマーケットの情報次第。

購入枠１と作成枠が浮くので資金調達をしたい
非常に会計的によくない

久しぶりに、かりっと揚げたチーズをつまもう

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【先ほどから小一時間後、写真を見つめて】

教えて、ヘニィ……「優しい領主さんになりたい」って言ってた貴方の夢も壊して騙した
世界もぐしゃぐしゃにした馬鹿な私は……

許される訳ないよね、《絶対に》

これまで多くを偽って、身分、性格、行動とありとあらゆる面で。

まずはこの名前。ラピュリメント＝パーキュラ
これ自体、企業連合そのものが怪しいとなんとなく副官だった知人の名前を勝手にもじって登録名簿に記入したものだ。

この姿も、17歳の頃か。とある「天使は願いを叶える」という触れ込みに騙されて、強制的にそこの偉い方々に元の世界に送還させられてからだ。行方不明になっていた（領地を治める貴族としての面子もあって死んだとかいえなかったのだろう）領主の娘ですと身分を偽った。

この義手、義足も事故のものだったといえばそれまで領地を代理統括していた貴族さんらも納得していた。
髪の毛も、生来のパープルを脱色してホワイトヘアーにできたのだし。眼は■■■■■■でオッドアイの義眼にした。
そして、名前も。
私の一番の友達の名前を。
(機密装備でもあった魔法術式内蔵銃をあげるくらいの。)

ニーユさんのこと

キーナ母さんを『2回』殺した私が負うべき業だと思って、その手を染めた私が全部死を負うべきだと信じて
同じ戦場で、職人本人手製の操縦棺に乗って死んだのを責めているのではないかと思って告げた。

「娘のシェチアが赦します」

そして、勝手に泣き出してしまった。
『塔』から帰ってから、いや『塔』へ行く前から泣くなんてことはなかったのに。
事故で消えたと思った、あの人がこの残像領域にいて生きていたのを知ったからなのかな。もう少し、私が「他人の空似だろう」で通りすぎないで、話しかけて沢山喋れていたらと思うと……駄目だ、また泣きそうになる

再度思い返すと、唐突に知らない少女が仕事場に入り「あなたが製作した操縦棺に乗ってそのまま死んで棺になったのを見てどう思いましたか」「その人は私の母親で」「貴方を赦します」
やら色々と勝手に言って泣き出すなんて。

戦場で死は当然で、職人として乗り手の死を既に覚悟して常に最高の作品を作ろうとして。
整理をつけていたかもしれない心の痛みを思い出させて。

拒絶されても自然の道理だ。私はなんてばかなのだろうか。

赦すもどうも、私に誰かを赦す権利なんて持っていたのは何時までだった？所有していいものなのか？
10歳の時、危険な魔法を制御する装置を自分の好奇心で触り、多数の家族と友人を殺したときか？
17歳の時、塔の事変の黒幕にお前らの願いなぞ叶いませんよ、ねえどんな気持ち？と言われたときか？
19歳の時、行方不明とされていた領主の娘だったと偽ったときか？

私は、「ボク」はどこから壊れてしまっていたのだろうか？

レニィは今の私をどう思う？「ほにゃにゃ、レニィは立派な領主さまになるのです！」と笑顔で言い切っていた優しい彼女は。
今の私は彼女の気高い理想も、純真な姿も穢してしまっている。

『ねぇ、レニィ！キーナ母さん！私はどうあればよかったの？教えてよ！叱ってよ！責めてよ！』
【写真を持って悲痛に泣き叫ぶ、か弱い姿であった】

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カチリと心に鍵を重ねて、深呼吸をする。
戦争の狂人『ラピア』として仮面を被って。

マーケットにより良いパーツが並ぶ様に、やり取りをして他のハイドラが強くなるように
戦場の最前線に突入して、敵情を威力偵察し他のライダー達に伝えて勝利につなげて
何かあって、体が壊れようと基地には予備の義肢など多数用意して
資金ぐりの為に誇りを捨てて足ペロ、セクハラ色々手を出して

やはり私は既に故障《イカ》れているなと思った。

『シェチア』の心の鍵がかかったか点検し、『人形の指揮者』の姿へと戻らなければ。

コトリと写真は台に戻された

そばの写真の額には、領主の娘、ヘレニア＝ヴィーティヒと刻まれていた

セッキュ・ベーシュレード倶楽部
へようこそ。

強烈な個性に暴れるハイドラを好む
凶刃、狂人、変人の溜まり場だよ。

まーだ、私しかいないけどね。
制御トレーニングしかしないから、ゆるしてね。

667宛てに便箋送るとか、広域メッセージとか、秘密の鳥便が来た次第ウェルカムするよ。