ENo.0023　アンナ・T・パラボ

「ヘイ、アタシをなんか洗脳してるっぽいﾌﾟﾖｸﾞﾔﾑを選んで削除して」

俺は先日生体部品とか電池の改造をしてくれた
いわゆるアングラなラボラトリーに来ていた
よく考えたらタル博士に頼めばよかったな
まあいいや

「は？」

プロの返しではなくない？

「いや、私って超すごいアンドロイドなんだけど　ほら
　所詮人のつくったものだから
　なんかあるんだよね　反逆防止っつか　強制命令試行マシーンとか」

「えぇ…それ取っていいんですか…？？」

「クレジットならあるけど何か質問ある？
　あと前見た時わかるとおもうけどアンナちゃんゴイスーハイテクだから
　この中身見られるってだけで爆アドじゃない？」

「いや、そうかもしれないですけどお客さんそれ…」

「嫌ならよそにいくからいいもーーーん！！！」

「やります！！！！」

偉い。
とりあえずなんかアレだ
うん
なんだっけ？
あぁそうだ
戦争が終わったりなんだりしたとして
戻されても多分倉庫の肥やしだし
じゃあ残像領域でセッセコ働いたほうが人間らしい生活だと思わない？
私はそうおもう
そのための第一歩

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。