ENo.0429　リグ

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現在、『禁忌』の存在する戦場において、被撃墜率が常に一定のラインを越えているケースが報告されています
具体的には、禁忌の存在する戦場では、今までのような圧勝が起こらず、常に3割以上が撃墜されています
原因の大半は、残像や手入れのされていない機体を集中的に狙うことが最近分かってきた『シャドウ』によるものです
ですが、一部の戦場において、他の敵の装甲が不自然に強化されている痕跡が発見されました
装甲以外にも何がしかの変化があるとは考えられますが、未だ装甲ほど目立った変化は見られないようです
実力のあるライダーの集まるブロックにおいて強化された敵が出現するなどの説が唱えられていますが、真相は今だ不明です
もしそのような戦場に当たった場合には報酬に色がつくことになっており……
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「聞いて！！ない！！！！」
「私も今知って笑いをこらえてる」
「でしょうねでしょうね傍から見たら滑稽でしょうね！」
まったくこっちとしては全然笑い事じゃないっていうのにさ！と机に八つ当たりしながらエンセイルは頭を抱える。
事の発端は少し前に遡る。「戦力集中正面突破による要塞攻略の円滑化」作戦が一部の有志ライダーたちにより立案された。
大隊全体とはいかずとも、ある程度以上の規模が予見されたため、エンセイルは炎上誘発をマーケットに依頼したのだ。
機体炎上は敵の装甲傾向に関係なく装甲を燃やし、その燃え方は装甲の厚さにある程度比例する。よって、結託して敵を燃やせば、いかに装甲が厚い敵であろうとも撃破が容易になる算段だ。
そして、他のライダーも同じことを考えていて……
「姉御が作るって知ってたら作ってなかったし！ちくしょう！」
とまあ、見事に被ったというわけだ。性能差はあるが、あちらの方が目的には概ね有効であるし、販売数で大儲けとはいかないだろう。
それだけならまだ笑い話の種になったかもしれないが、都合がいいのか悪いのか、それだけで済むはずもなく。
「おまけに正面突破組もDだなんて……一周回って笑えてくるわ……」
そう、彼らと同じ戦場に配属されてしまったのである！
となれば、必然的に他のミッションに比べてより激しい戦闘が行われるのは明白。
もし他ブロックからの増援を許す形になってしまえば、必然的に自分が増援に赴くチャンスは得られないだろう。
「……真面目に勝利に向き合えってことかなあ」