ENo.0023　アンナ・T・パラボ

いろんな陣営があたしにたいして
ラブコールを送ってくれているけれど
正直何もわかんねぇ・・・
そもそもフリーおじさんとの付き合いが長すぎるんだよな。
今から残像領域のことを知るにはさすがに遅すぎる。

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ガン、と床に何かを打ちつける音。
ガレージでアンナが作業をしていた…
通常ならハイドラに乗り込み、HCSを用いたパーツ接続だとか
もしくはクレーンなどを使うのだが
何と彼女はパーツを―――担いでいるのは電磁アンテナのようだ―――
生身で運び、直接彼女のハイドラに差し込んでいる。
（接続が簡便なのは彼女のハイドラの美点だろう、コンセントプラグと同じような仕組みだからだ）
彼女はしばし悩んだ後、
ガレージの奥から電磁アックスを持って来…ようとしてやめ、
代わりにアンテナを運んできた。
『またアンテナかよ！』
「世界が許せば8本刺したいぐらいだぜ？」

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「さぁて、残像領域のことなんて知らんけど、
　ともかく敵を全部押しつぶせばいいんだ、『brainless』でもできるぜ！」
そう叫ぶと、ハイドラの車輪と誘発装置が唸りを上げ走り出した…

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。