ENo.0341　ソニア

白兎生体化学のドローンは忽然と現れた温室を見つけ、本社に飛んで帰った。
「ほんとうに助かりました〜」
森に落ちたヴァリーフォージは樹々の下敷きになったが、ソニアはふかふかの園芸土に埋まっていて無傷だった。重機が倒れた樹を持ち上げ、防護服を来た社員たちがぐちゃぐちゃになったサボテンをピンセットで採取している。兎マークの仮設テントの下で交渉係とソニアはテーブルについていた。ヴァリーフォージは少ない改造でウォーハイドラとして使えること、優秀なハイドラライダーをスポンサーとして支援したいことを交渉係は伝えた。ソニアはあーはいはい、なるほどうんうんそうですねと頷いた。
「なんだかよく分からないけれど、喜んでお受けいたします」
スポンサー契約が済み席から立った交渉係に、ソニアは問う。
「あの〜、ところでウォーハイドラって何ですか？」

@@@ヴァリーフォージからもげて空き地に落下した温室。レジャーシートと日除けが設置してある。