ENo.0068　リュミドラ・カラビネル・レギナルト

【酒】

姿形、時代がうつろい流れ流転していく世だとしても、
嗜好品はしなやかに進化し、あるいは受け継がれていく。

酒は知的生命体の良くも悪くも文化と時代に繁栄をもたらし、
その形を必要とされるときに必要とされる状態を反映して
提供されてきている。

今、私が飲んでいるこの酒も、そうだ。
新興企業、無名だけれどウイルスを研究する部門、
そのひとかどで私は酒を煽る。

喉越しが、いつもよりもいい気がした。











【社内報】
「嗜好品の酒に危険物質混入か　科学者1名死亡」

その内容はいたって単純だ。
酒を飲んだ女性の科学者が死んだ。
内部をバイオ兵器で食い破られた状態だった。
いや、正確には彼女を媒体にして増えたそれが、宿主を食い尽くしたというのが一番早い。

彼女の最期の晩餐はビールだった。
そのビールに、どうやらバイオ兵器か何かの卵が、
ミクロンサイズに縮小されたものが入ってたらしい。

研究所では嗜好品の飲食を禁じる措置がなされた。
誰かのタチの悪い悪戯にしては、度が過ぎるし
嗜好品に毒を混ぜて殺戮など、内部抗争とも言えなくはない。

俺はこのエッグノグをひっそり飲むことにしよう。
社内報で書いていい内容じゃないが、研究所の外にある酒場で酒は飲めばいい。
俺はそこでエッグノグを飲んでる。美味しいからな。







【誰かの殴り書きのメモ】
「あいつらは一人残らず消す。そうして、それから、相棒を探す」
「コロッセオにいれば……きっと、くる」

Cafe ＆ Maintenance Mer-Millia

巨大樹木の中から、機械の大百足を探せば良い。
その樹の足元に、腕のいい整備士――あるいは料理人のいる店があるのだ。

カフェ＆メンテナンス『メル・ミリア』は、今日も密やかに営業を続けている。
禁忌戦争を生き抜き、霧とともに消えたとされたハイドラ大隊から戻ってきたと噂されている店主は、もはや多くを語らない。ただ、樹木に絡みつくように“眠っている”機械の大百足は、その時の店主のウォーハイドラだとされる。
時々たまに、思い出したように起き上がって、生きているかのように周りを歩き回るのだという。だから、この辺の木の根は金属の多脚にずたずたにされてしまって、あまり真っ当には育たないんだそうだ。店主はそう言って笑っていた。

今日のおすすめは、禁忌戦争で破壊されたと言われる要塞のひとつを模した店主手作りのケーキ。

！店および店主（ENo.7サブ）の既知可　4期既知（ENo.4）も可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/decoherence/union.html

（整備極ユニオンです。購入はユニオン主の独断。）