ENo.0167　クレイ・サーストン

　……いい加減ガレージが散らかってきたな。でも片付けだりいしなぁ……まだいいか。そのうちなんとかする、ウン。

　そこそこ金が入ったんで、足回りを9割方取り替えた。イマドキのパーツってすげーのな、えらい軽い割に性能はちょいと落ちる程度か。いい買い物した。
　機動性は跳ね上がったんじゃねえかと思う。あとはすっ飛ばないようしっかり手綱持ってられるかだな。ま、なんとかなんだろ。

　ハレの奴も一回やりゃ調子は掴んだようで、普通に黒字だしてやがった。ケッ、ふてぶてしいっつーか、かわいげのねーやつ。ま、ありがたいんだがよ。
　僚機、支援ってのは妙な気分だな。一人はっきり味方がいるってのは、結構違うもんだ。……同業者っつっても、腹の底じゃ何考えてるかわかんねーやつばっかなのが傭兵の常だ。背中預けられるってだけで、神経すり減らす感じはマシになった、気がする。
　……いやでもアイツ危なっかしいけど。遠慮がねーっつーかなんつーか……ウルフの砲弾なんざ、掠めただけでお陀仏だぜ、俺。……気をつけよ。

　機体の調整も一段落って感じだし、せっかく危なっかしいことやってまで金稼いでんだ。ちぃと贅沢するかねぇ……ワン公に肉買って、俺もたまにゃあ旨い酒を……へっへ。

　拠点を持たず、理念を掲げず、その名を振りかざすことすらない。リーダーは居らず、ただ“彼ら”という括りが存在する。

　これはとあるチャットルーム。ともすれば仲間ですらなく、ただ一つの名で結ばれた、ライダー達の交流の場。