ENo.0056　F-4117

──では、クローン体の実験利用は法的、倫理的に問題が無いと仰る訳ですね？

博士：いえ、そうは言っていません。ただ我々は、そうした問題に対し可能な限りの努力をしています。
我々を名指しで非難する方々の言う、「用済み」となった彼らを「廃棄」しているという事実はありませんし、
実験等で使い潰しているということもありません。
必要な実験を終えた彼らが自分の意志で自由に生きることが出来るよう、
一人一人に戸籍を用意し、きちんと教育を施しています。
また、希望があれば職を斡旋し、住居も提供していますよ。勿論実験をせずに済むならばそうするのですが。

──科学の進歩に実験はつきもの。ですが常に法や倫理という障壁が立ちはだかります。
それを乗り越える努力を惜しむべきではない、ということですね？

博士：ええ、無論でｻﾞｻﾞｯ──ｻﾞｯ､ｻﾞｰｯ……