ENo.0091　ミミフォン・R・ラパーニクルス

初出撃は無事に終わりました。新人に向けた戦場だったのか、ミミフォンの機体――ラブリーキュートスイートミミフォン号は無傷でいられました。正直パパのおんぼろ機体（というほど汚くはないのですが、数年前の型であることは確か）なので不安でした。
ミミフォンがお金をもっておうちに帰ると、妹と弟達が笑顔で出迎えてくれました。その日の夕飯は、私達にしては奮発して、少しだけ豪華なものになりました。ミミフォンの大好きなミミズフォンデュもみんなで用意してくれていたようです。このミミズをフォンデュする感覚がたまらないのです。

戦場へ行く前に、リコちゃんが緊張している、という話をしていました。ミミフォンも少し緊張していましたが、それはミミフォンの腕が悪いから、とかではなく、ラブリーキュートスイートミミフォン号がおんぼろだから不安だった、ということです。残像領域に生まれ育ったミミフォンにとっては、実際に行ったことはなくても、なんとなく、戦場というものに親しみのようなものがあるのかもしれません。リコちゃんは他の世界からおちてきてしまった子です。ミミフォンが女将さんのところを紹介したからといって、きっとそれだけでは暮らしていくのも大変だったのでしょう……大変だったよね？そんな中で戦場っていうのも、きっと何かやむをえない事情があったのでしょう……あるんだよね？

次の戦場へ行くために、ミミフォンは機体を整備しました。いくつかのパーツを買いかえたりなど、です。ミミフォンの理想の機体に近づけると、防御が薄くなりがちなようです。でも、撃墜されても助けてもらえる……その保険のきいてるうちに色々試してみたい気もします。

いつか、ミミフォンは本当に死んじゃうかもしれないのですから。