ENo.0104　ベニバナ・ヤナギ

-　-　-　-　-　-　-　-



ベニ子の機体、タマ内。



「まだ調整終わらないのかベニ子～？」










「何で入って来とるんじゃアホ！中は狭ぃ言うたやろ。」


実際、内部はベニ子仕様に造られていてとても狭い。


「姉は妹の面倒をみてあげないとだからなッ！」


「……乳が邪魔じゃなきゃもっと早く終わっとるわ。」

「その乳で変なとこ押さんでな。」


「大丈夫だ、ベニ子の上に避難させてるぞ。」


……ずしん。


「それが邪魔なんやがな………ここじゃ他に良い場所も浮かばん。」

「ユキ姉のほうは大丈夫なんか？今回のはウチ確認してへんで。」


「大丈夫だ！ちゃんと動くぞ。」


「いや……動くのは大前提やろ……。」


呆れた顔。



「まぁユキ姉は、動きさえすりゃ持ち前のゴリラ魂で何とかできるか。」


「ベニ子は調整が大変そう。姉ちゃんには何をしてるかサッパリだ。」


「あいにくゴリラも乳も持ってかれたもんでなー、ただの華奢な乙女や。」


胸のあたりでスカスカっと手を動かす。


「ゴリラも胸も同じくらいが良かった……？」


「乳はともかくゴリラは要らん。脳みそ消費して発動してそうやし、ゴリラパワー。」


「それじゃ姉ちゃん脳みそ結構あるんだな！」


「………ほんと、羨ましいわー。」


再び、呆れた顔。









『―― お仕事のお時間です！

　各自、準備を始めてください！ あ、お弁当は持ちましたか？

　お腹が空いたら大変なので必ず持っ ――』






「……何やこの緊張感のない連絡役。嫌いやわ。」

「そうか？とても大事なことを言ってるじゃないか。」

「…………。」
「ほれ仕事や仕事、出てけ出てけ。」



タマを出てグリムノーゼへと乗り込む姉。









「次のお仕事お仕事………工場のお掃除ねぇ。」
「事前の敵戦力情報は……あぁこんな具合だったわ、思い出した。」

「………。……………。」



「……ユキ姉の機体、粒子対策してたか？はしゃぐとぶっ壊れんぞこの戦場。」



-　-　-　-　-　-　-　-

（桃色髪の少女が黙々と何かを作っている）