ENo.0116　NANAKA14-σ

操縦棺の中は腐臭で満ちていた。
「確かに人は乗っているが通信相手は間違いなくAI」と言っていたクライアントの言葉の意味が理解できた。
あれは人間ではない。だがAIよりももっと歪な何かだ。
しかし不思議なことに……その正体がはっきりすると、逆に不安感は薄れた。
覚悟が決まったというか、開き直ったというか。戦場でやむを得ず狙撃手と交代した時の気分に似ている。
俺はただ仕事をするだけだ。最初からそうだった。これからも変わることはない。


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通信開始
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「前回の撃墜数はゼロか」
「そうね。なかなか上手く行かないわ」
「いや……これは悪くない。というか、かなり良い動きをしている」
「あらそう？」
「撃墜はまあ、言っちまえば運だ。この試験において運はそれほど重要な評価対象じゃない」
「……今日は妙にお喋りね。悩み事でも解決したのかしら」
「……」
「失礼」
「まあいい、次はこれまでと違って味方の数が少ない。生き延びることを第一に考えて行け」
「了解よ」

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通信終了
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とりあえず隠れ蓑は作ったので、ここで色々とやりくりすると良いですぞ。