ENo.0280　エステラ・ヴォルフラント

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敵味方に少なからず犠牲の出た要塞戦が終わり数日経ったある日、1本の通信が飛び込んでくる━━━


Ex『……Ms.リステラより直接通信を受信━━━』
エスティ「ぇ……？暗号通信じゃなくて直接？珍しいけど一体何の用事だろ……依頼じゃないだろうし…。ってか話すのヤダけど……まぁいいや繋いで」【Exから通信者の名前を聞いて露骨に嫌そうな顔になる、付き合いの長い例のお節介な仲介人の名前だ━━━】
Ex『了解、通信チャンネルオープン』
リステラ「やぁやぁエス、ちゃんと生きてるかな？アルマちゃんとは上手くやれてるかい？いやーそれにしてもこの間のリソスフェアは凄かったねぇ……撃墜こそしてないもののテンペストの大群に大打撃与えた漆黒の機体の噂がこっちの耳にも入るくらいだったよー？」【見た目はエスティと同じくらいにしか見えない少女が通信モニター越しに明るい声で喋り始める】
エスティ「………で、リスティ…本題は？直接通信してきたって事はそれなりの用事なんでしょ？」【ムスっと不機嫌そうな顔で呟く】
リステラ「ありゃ……？エス不機嫌さんだった？んっとだねぇ……リソスフェア戦で暴れまわってたキミの事を嗅ぎ回ってる怪しい子達が居たから何人か始末しといたって教えておいてあげようかな～って、優しい？優しいでしょ？」【声色はそのままだがどこか殺意の篭った瞳で世間話でもするようにサラっと告げる】
エスティ「はぁ……それはどーも、下手に尻尾掴ませるようなヘマはしないつもりだけど、まぁ助かる。そういえばついでに一つ聞いても良い？この間の変死体の事件知ってる？Ex、データを向こうに送って」
Ex『了解、事件データ【222563325】を送信━━━』
リステラ「ふむむ～？あぁこれか…無人のアパートで拷問だっけ？酷いよねぇ…私ならもっと優しく綺麗にやってあげるのに…って話が脱線しちゃった、これがどうかした？」
エスティ「少し気になったから洗えそうなら背後とか事件の関係洗って欲しいって思っただけ、後はリソスフェアの話を持ってきたメフィルクライアって派遣仲介人の事も調べてくれると嬉しい、疑ってる訳じゃ無いけど警戒するに越した事ないからね」
リステラ「ふむふむん、なんともエスらしいというかなんというか、勿論OKなんか分かったらそっちにデータ送ってあげる。ところで！とっても良いホテルを見つけて今夜なんだけど時間があ━━━」
エスティ「あーごめん、通信状況悪いみたいで後半聞こえなかった、それじゃまたねリスティ」【コンソールに手を伸ばし通信をOFFにする】
エスティ「ふう……こっちから話す手間が省けたけどなんていうか毎回疲れる……」【小さく溜息をつく】

リステラと呼ばれてた少女……エスティともだいぶ馴染みが深い普段とは別の依頼斡旋をしている人物の事を思い浮かべつつ小さく溜息をつく、信頼出来るけど信用できない人物であり表だけでなく裏世界にも顔が効き腕も立つが極度の快楽主義者の変人……という事しかエスティ自体も分かってない謎の多い人物である━━━

Ex『……報告、Ms.リステラが本機体の通信システムにバックドア設置を試みている模様、どうしますか？』
「……もう出撃だからブレイズ【攻性防壁】で焼き払っておいて、さっさとシステムチェックして行くよ」【報告を聞いて頭を抱えつつ、今日も戦場へと赴く━━━】


Enter the BattleField and Dive into the Mist━━━