ENo.0323　第306特殊試験部隊

「軍部からの依頼が来た。今週末、対象の都市国家に夜襲をかける。」

一部幹部…部隊の年長者らを集めた部隊のブリーフィング。
キルガールは以前より隣接する都市国家と国境を巡り争っていたが
この部隊が創設される頃に一時停戦となっていた。
それが、破られる。

「ただの開戦理由のために火付けだろうがそこに甘んじる必要はない。
　都市国家を落とす。我々のみでな……」

そんなことが出来るのか、と問うものはいなかった。
中佐が出来ると言えば、出来るのだろう。
既にそれを、別の領域でも残像領域でも見せられている。

「既にネオ・コフィンシステムは完成している。
　調整も可能だ。アレと私は一体だ。
　ウォーハイドラの配備率を考えても一夜あれば十分……
　簡単な仕事だ」

操縦棺を通してパイロットの感覚を機体に伝えるシステムはいくつかの企業が試作していたはずだ。
だがこのネオ・コフィンシステムは操縦棺を通して
ウォーハイドラの感覚をパイロットに伝えるものという。
そんなものに耐えられる人間は少ないが、そもそもあのウォーハイドラが
何かしら特殊なものと聞いていたのもあり
中佐はそれを成し遂げている……

中佐は信頼している。
けどあの機体は一体何なのだろうか……

その疑問を掻き消すように残像領域への出撃サイレンが鳴っていく。

我々アフラムインダシトリィは
城塞都市キルガールを拠点にする企業ユニオンです。
歴史は古く自由都市時代からの重工業産業の組合を基としており
現在は軍需重工業に切り替えてキルガールの防衛軍受注を中心に生産を行っています。
当領域等には現地での需要調査、およびウォーハイドラパーツの研究開発試験
並びに販売を目的として今回は参入させていただいております。
どうぞよろしく。

■今回のお知らせ。　[第１０週]
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
現在技術は日進月歩、ここ最近の技術解明と伝播は目覚しいものです。
我々もそれに追従する形ではありますが日々研究を行い
新たな製品を生み出して生きます。
新たな敵に新たな技術、全ては必要性から来ているものではないでしょうか。
それでは今回の新製品は新たに開示された操縦棺技術を……