ENo.0071　パアム・ライザ

頭を抱える。
なんだこれは。どうすれば良いのだ。
想定していたナノマシンの栄養源は、機体の有機燃料だった。十分事足りると思っていた。
しかし、生体へ寄生したナノマシンは、燃料を用いるよりも、より身近で、より分解され、利用しやすいグルコース、ATPを選択したのだ。
計算した所、人の体積であっても、寝ている間にすべてのカロリーを持って行かれ、餓死寸前となる。
女性ならば、まだマシなのでは……その結論には至ったが、搭乗者が限定されるというのは、避けたい。

安全性、その前提条件とも言える、ただひとつの理由で、開発が頓挫した。
軍からは開発をせっつかれ、費用の回収はままならない。

開発を始めてから10年近くが経過していた。二足歩行はまだ先でも良い。しかし、ナノマシンによる脊髄直結は、早く実現させなければ援助も打ち切られてしまうだろう。

悩み、悩んで、そして春。
新たな研究者がやってきた。


「こんにちは！今日からプロジェクトに参加する、パアム・ライザと申します！」

――――よろしくおねがいします、と、娘は大きく挨拶をした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━

……なんだろう、これは。

ブースターを買ったはずだった。リーズナブル、かつ高性能なものを。
しかし、届いて見ればなんだ。

「何をブーストすると言うんですかっ！！！」

思わず叩きつけたくなったが、お金を出したものなのでぐっと我慢。とりあえず文句は言ってこうと思った。

「……私も研究所に入った時、女の人珍しい！って言ってましたけど、アレもブーストしてたんですかねー……。」


その後、ひとまず何か入ってないかとデータを吸い出してみたら、軽量かつ効率的なブースターの設計図諸々が入っていた。
確かに、商品価値はあったのだろう。
しかし、同時に入っていた「秘蔵ファイル」はPCの奥底へとしまいこんでおいた。

「破棄すればいいじゃねえか」

「……なんか、勿体無い気がして。」

「さよけ」

言葉はわからなくても作るものなら心は通じる。
そういう人たちの組織がここ「グロッソラリア」
制御とか整備が好きな人はおいでください。
どちらか一方だけでも結構！
作れ作れ！

※ユニオン活動は制御２　整備３です。
RPとかはするかもしれません