ENo.0516　如月

　パイロットをデバイス69式甲01号のコンディションチェック。

　生命維持……、規定値を達成。
　精神安定……、規定値を達成。

　損傷なし。
　該当デバイスの継続利用を決定。


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　良いことと悪いことは、多くにおいては同時に起こりうるものだ。
　まったく残念で仕方がない。
　いくら装甲が薄いとはいえ、避けられれば事なきを終えられると見込んでいたのに。
　まさか、ああも早くに撃墜されてしまうとはな。
　替えの利く69式だが、ハイドラの機動力をもって的となるのは下策か。


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　新機軸の戦術は欠点が目立つが、殲滅戦において短所を差し引いても極めて効果的だといえる。
　電子格闘がここまでの能力を備えることになろうとはな。
　だがどれほど優れた長所があろうと、残念なことに短所は短所として認めて、対策を講じねばならないのが世の理であり、残像領域でもそれは変わらない。


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　バイオスフェア要塞の情報が揃い始めた。
　敵勢力はバイオコクーンと呼ばれる繭状の培養装置によって大量生成されたバイオ兵器を防衛戦力としているようだ。
　ならば霊障対策だけしておけば良さそうなものだが、ハイドラが生成するバイオ兵器とは性能が異なるという不確定情報が飛び交っている。
　噂程度に惑わされるのは愚かだが、根拠なく決断を下すほど愚かにもなれない。
　決め手を打ちかねる状況だ。気持ちが悪いな。


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　戦闘人格および学習記録をバックアップと照合……、差異無し。
　コンディションチェック。

　生命維持……、正常。
　精神安定……、正常。


　さあ、出撃の時間だ。

残像領域のある場所。
ある都市のうちのひとつ、霧都市。

都市のはずれ、その中にひとつ、霧の中でぼんやりと明かりが灯っている建物が見える。

霧と混じる工房の煙。
ここは、ダガー工房。
ハイドラのためのダガーを造るための人々が集う場所。
硬質ダガーに魅せられた人々が集う場所。

今日もダガーの職人、技術者、お客、全然関係ない人。
いろいろな人物がいろいろな目的で集まっている。

その様子を工房の片隅で、
無口なバーテンが笑顔で見ている。


※説明
・ダガーユニオン
・【訓練】格闘*5　【購入】経験値+1
・雰囲気ユニオン
・片隅にショットバー