ENo.0244　許多&アンフィニの人工精霊

工場排水による汚染で虹色の泡に覆われた川の前で、
物々しい防護服に身を包んだ男は手元の水質調査結果を淡々と読み上げ終えた。

「…とまあ、以上の通りだ。この川には重金属化合物ならとにかく飽和するほど豊富に溶け込んでいる。
無論人体には致命的なほど有害だが、君が探していた環境にうってつけというわけだ。
…こら、触るな。有害と言ったのが聞こえなかったか？」

防護服の男が腰に吊っている計器に示されてた電磁波濃度は9%、
かつ追手の憲兵が潜伏・盗聴・あるいはその他の妨害工作をしている兆候も無い。
許多とアンフィニは、許多が声を使える条件が揃っている事を確認し丁重に礼を述べた。

「ありがとうございます、カタリスさん。申し分ない環境です。」
「ありがとうございます。
…ここに今作ってもらってる再生装置を設置すれば、アンフィの体も造り治してやれそうです。」

防護服の男は、ガスマスクの向こうで呆れたような表情をした。

「ああ…、あんまり動きがヒトらしいから、許多君がヒトじゃあないって事を失念していたな。
だがヒトでないにしろ厳密な生物でないにしろやはりこの川の水が君達にとって有害である可能性は拭えないぞ。
妹さんの体を治すのにも酷く苦労しているようなのにだな…、外装が腐食して内部にまで染みてきたらどうする。
迂闊に触るのは止めておくんだな。」

(Special cast:
定期更新ブラウザゲーム「Last Order」より
PLゆのもと自機、Eno.137 カタリス・ザトール)

何らかの理由によりハイドラに縛りつけられたライダーが集まる。掃き溜めとも言う。
　
一部メンバーの素行不良により世間からの評判は芳しくない。

音楽専念。