ENo.0116　NANAKA14-σ

「イシクニくん、良い報せと悪い報せ、どちらから聞きたいですかな？」

「……一度は言ってみたい台詞だな。じゃあ良い方から」

「うん、先程我が捜索チームがユリオを発見、回収したとの報告がありました」

「見つかったのか。そうか……」

「そして悪い方の報せですが、ユリオの意識が戻りません。意識というかこちらの呼びかけに一切反応しない」

「おいそれは大丈夫なのか」

「さあて？　元々降って湧いた霊障が憑いたようなモノでしたからなあ、取れちゃったのかも」

「嘘だろ……」

「はい、嘘ですぞ。ナナカくんの生命維持機能は働いているようなので、ユリオという現象が消えた訳ではない」

「なんで一回嘘ついたんだこの野郎」

「完全に嘘とは限らんということです。生命維持は続いても、君が知るユリオはもう戻らないかもしれない」

「つまり戻る可能性もある」

「ふーむ、まあそういうことですな。あ、それともう一つ悪い報せが」

「お前ふざけんなよ……」

「えーユリオが動けない間、きみは今後も継続して戦場に出てもらいます」

「えっなんで？」

「そういう契約なんだもの。いくら福印と言えどテスト用に自前で戦場を用意するほど太っ腹ではないのですぞ」

「……」

とりあえず隠れ蓑は作ったので、ここで色々とやりくりすると良いですぞ。