第22週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
◆日記
『箱』の中は奇妙なほどに静かだった。
ウォーハイドラを駆動させるのは、全身に張り巡らされたチューブの中を流れる液化した残像領域の霧。ハイドラを揺り起こした瞬間に操縦棺の中を満たす静かな水音。それがこのシミュレーション装置では再現されていない。『箱』に備え付けられていないもののひとつだ。殺人的な加速による強烈なG、蒸すような湿気、それから、羊水にも例えられる操縦棺の水音。
暗闇の中に、うすぼんやりと画面が点灯した。霧に覆われた残像領域、荒涼たる地平に、廃墟と塵芥が転がっている。画面を通して見る、という意味では、実際の戦場とほとんど変わらない。
ヘッドフォンと『箱』の二重の壁によって、流れ込んでくる音も厳密にコントロールされる。『箱』の外の音は聞こえることはなく、ただ風の流れる音、自分の呼気、そして、ウォーハイドラのわずかな駆動音だけが聞こえてくる。
コンピュータ・グラフィクスと合成音によって作り上げられた戦場は、細心の注意でもってその雑然さを再現されていた。どこか作為的な光景に感じるのは、おそらくこちらの先入観の問題だろう。
しかし、現実と同じように霧に覆われた仮想空間を見渡して、エイビィはふと胡乱な顔になった。
いつも見る残像領域と、決定的に見えるものが異なっていた。しかもそれは、ここが仮想空間であることが原因ではない。目線の高さが違うのだ。
「チャーリー?」
『箱』の中で視線を彷徨わせる。『箱』の外、スピーカーを通じてこの声は彼女に届いているはずだったが、返答はない。
はかられた。チャーリーに渡したアセンブルの紙のを思い浮かべ、エイビィはほぞを噛む。
この『箱』のアセンブルを設定したのは彼女だった。ダリルの方も合わせて、公正を期すために自分が設定するという申し出だったが……今思えば、なぜダリルと彼女が一緒にいたのか、もう少し深く考えておくべきだったのだろう。
操作盤に指を走らせ、画面にアセンブルを表示させる。映し出された機体の構成は、思った通り『ライズラック』とは全く異なるものになっていた。『ステラヴァッシュ』とも『ヴォワイヤン』のものとも違う。知らないアセンブルだ。
《――ルールの確認をする必要はあるか?》
聞こえてきた声に、エイビィは顔を上げる。
いつの間にか、正面には『ステラヴァッシュ』の巨体があった。
仮想空間における対戦シミュレーションの場合、戦う前に機体の動きの確認や調整のための待機時間が設けられている。それが終了したということだろう。……彼我のサイズ差も、大きく変わっている。『ライズラック』よりも大きく、恐らくは遅い機体だ……エイビィはきつく奥歯を噛みしめ、すぐに緩めた。
「必要ないでしょう。……今回は、パーツが壊れる心配もないんだし」
いつか聞いた言葉を繰り返すようなダリルの声に、ため息交じりに答えてエイビィは操縦桿を握り込んだ。
ダリルとチャーリーがどういうつもりなのか、このアセンブルが何なのか。
想像できるものはあったが、対戦が始まった以上はこちら側から中止を言い出すのは業腹だった。それに、何となればこちらの方が話が早い。
(――確かめたいのなら、確かめてみればいいんだわ)
締め付けるような頭痛には、もはや慣れてしまっている。
エイビィは『ステラヴァッシュ』が動き出すのに合わせて機体を右へ滑るように走らせた。
やはり、『ライズラック』よりは加速が弱い。ブースターはなく、加速を助けるのは補助輪だけだ。火器も射撃がメインになっており、エイビィにとっては扱いづらいアセンブルだった。その分装甲は厚いものの、ある程度攻撃を受けながらの戦いに慣れているかと言えば話は別だ。
滑るように地を這う機体を、『ステラヴァッシュ』の射撃が引っ掛ける。『箱』の内部の揺れによって再現される衝撃と、装甲の削られる表示を確認しながら、エイビィは舌打ちした。動きに支障はまだないレベルだが、何発も食らえば分からない。
ハイドラは榴弾砲を引き抜き、黒々とそびえたつ影へと差し向ける。
狙いを定める必要はほとんどなかった。『ステラヴァッシュ』の脚の付け根辺りで爆発が起こるのをカメラに捉えながら、エイビィは再び装甲で相手からの射撃を受ける。
エイビィは舌打ちした。何とかして近づきたいところではあるが、仮想空間にはすぐさま入れる遮蔽物はほとんどない。どうしても、撃ち合いながら向かっていく羽目になる。『ライズラック』であれば、射撃を回避しながら頭を取って近づくこともできるが、どうしてもこの機体では回避が遅れた。
(情けないこと!)
榴弾砲を機関砲にスイッチする。
できるだけ弾をばら撒きながら、二脚のハイドラは荒野を滑るように駆けて行った。
『ステラヴァッシュ』の弾幕は厚い。ばら撒かれる弾のすべてがこちらに当たるわけではないが、じりじりと装甲は削られていく。弾幕の差も装甲の差も、分かり切ったことだった。
《どうした、エイビィ!》
「いけしゃあしゃあと言ってんじゃないわよ!」
言い返しはするものの、明確な打開策があるわけでもない。――それこそ、この機体の本来の持ち主であれば、もう少し戦いようはあるのだろうが。
(……冗談)
こみ上げた吐き気に、エイビィは顎を引いた。
耳障りな音を立てて、機関銃の残弾がゼロを示す。粒子ブレードへと武器をスイッチし、忌々しい気持ちで『ステラヴァッシュ』の巨体を睨みつけた。『ライズラック』で相対していた時とは違って、ややこじんまりとして見えるが、それでも巨大には違いない……
「……あ。」
炎が散り、『ステラヴァッシュ』の火炎放射がハイドラの装甲を灼いた。近づかせる間を与えないまま、決着をつけるつもりなのだろう。
《教えてもらう! あんたについて、あんたが知ってること、全部!》
ダリルの言葉に、エイビィは言い返すことはなかった。
操縦桿を、大きく引き倒す。ハイドラは身を低くして炎を逃れ、まっすぐに『ステラヴァッシュ』へと向かっていった。
《――んぐっ!?》
黒い脚へ向かって、ハイドラが勢いよくぶつかった。なんということのない体当たりだが、『ステラヴァッシュ』にこれを避けるような機動性はない。今まで揺らぎもしなかった機体が大きくよろけ、ダリルが呻き声をあげる。
「全く、寝惚けてたわね!」
吐き捨てて、エイビィは身を乗り出した。
単純な話だ。この機体は『ライズラック』よりも大きく、重いのだ。
それでも上背は『ステラヴァッシュ』の半分程度に過ぎないが、それだけあれば近づくのに大した機動を弄する必要はなく、こうした格闘戦を仕掛けることもできる。何故、そんなことに気が付かなかったのか。
《だが、もう!》
ダリルが吠え、『ステラヴァッシュ』から炎が吹き上がる。それはさらにハイドラの機体を焼け付かせ、『箱』の中の計器が一斉にアラートを吐き出すが、構わない。
ハイドラが電磁ブレードを振り上げ、姿勢を崩した『ステラヴァッシュ』の機体を斬りつけた。装甲に弾かれ、大したダメージは与えられないが、織り込み済みだ。炎を振り払いながら、榴弾砲を斬りつけた場所へ向かって突きつける。
「……ええ、これで終わりよ――『シェファーフント』!」
ヘッドフォン越しに、ダリルが大きく動揺する気配。
エイビィは吐き気を堪えながら、榴弾砲の引き金を引いた。
◇ ◆ ◇
ブラックアウトした画面がこちらの勝利を告げるのを確認し、エイビィは『箱』を出た。同時に、横の『箱』から転がるようにダリルが飛び出してくるのを見て、眩暈を覚える。……できれば話もせずに立ち去りたかったが、どうやらそうもいかないようだ。
「――エイビィ!」
こちらの肩に掴みかからんばかりに詰め寄ってくるダリルから顔を背けて、エイビィは目を伏せた。
「約束は守ってもらうわ。もうつきまとわないで」
「っ、どうして、ビルのハイドラの名前を知っていたんだ……」
「ウィリアム=ブラッドバーンはかつて存在したハイドラチームの一員。乗機は中二脚の射撃タイプのハイドラ『シェファーフント』。二年前に撃墜されて以後行方不明」
並べ立てられた言葉に弾かれたように、ダリルは大きく身を引いた。エイビィはダリルと視線を合わせないまま、シミュレーションルームをぐるりと見渡す。少し離れた場所に、チャーリーが立っている。どういう表情をしているか、ここからは見えなかった。
「あなたに紐づいてる情報を少し調べればすべて分かることよ。まさか、チャーリーまで抱き込んで、彼のアセンブルを使わせるとはね。
……でも、これで分かったでしょう。あたしはあなたのお友達じゃない。話はこれで終わり。……それじゃ、失礼するわ」
言い放ち、エイビィはダリルに背を向けた。ダリルからかかる声はなかった。チャーリーからも。
頭痛は強くなる一方だった。エイビィは足早に、シミュレーションルームから立ち去った。
◇ ◆ ◇
腿に指を乗せて悲鳴を噛み殺す。腰から下が痺れたように感覚がなく、他人の体に触れているようだった。悪寒と頭痛と吐き気に目を回しながら、壁にもたれかかる。誰かに見られていない自信はなかった。それでも取り繕うのは限界だった。自分がどこにいるのかも分からなくなっている。震えた指で端末を取り出し、決められた手順でコールをする。ずるずると座り込んで、端末を顔に寄せた。
「ウジェニー……先生、助けて……」
目をつぶり、祈るような気持ちで言葉を紡ぐ。
相手が出るまで、そう時間はかからなかった。
ウォーハイドラを駆動させるのは、全身に張り巡らされたチューブの中を流れる液化した残像領域の霧。ハイドラを揺り起こした瞬間に操縦棺の中を満たす静かな水音。それがこのシミュレーション装置では再現されていない。『箱』に備え付けられていないもののひとつだ。殺人的な加速による強烈なG、蒸すような湿気、それから、羊水にも例えられる操縦棺の水音。
暗闇の中に、うすぼんやりと画面が点灯した。霧に覆われた残像領域、荒涼たる地平に、廃墟と塵芥が転がっている。画面を通して見る、という意味では、実際の戦場とほとんど変わらない。
ヘッドフォンと『箱』の二重の壁によって、流れ込んでくる音も厳密にコントロールされる。『箱』の外の音は聞こえることはなく、ただ風の流れる音、自分の呼気、そして、ウォーハイドラのわずかな駆動音だけが聞こえてくる。
コンピュータ・グラフィクスと合成音によって作り上げられた戦場は、細心の注意でもってその雑然さを再現されていた。どこか作為的な光景に感じるのは、おそらくこちらの先入観の問題だろう。
しかし、現実と同じように霧に覆われた仮想空間を見渡して、エイビィはふと胡乱な顔になった。
いつも見る残像領域と、決定的に見えるものが異なっていた。しかもそれは、ここが仮想空間であることが原因ではない。目線の高さが違うのだ。
「チャーリー?」
『箱』の中で視線を彷徨わせる。『箱』の外、スピーカーを通じてこの声は彼女に届いているはずだったが、返答はない。
はかられた。チャーリーに渡したアセンブルの紙のを思い浮かべ、エイビィはほぞを噛む。
この『箱』のアセンブルを設定したのは彼女だった。ダリルの方も合わせて、公正を期すために自分が設定するという申し出だったが……今思えば、なぜダリルと彼女が一緒にいたのか、もう少し深く考えておくべきだったのだろう。
操作盤に指を走らせ、画面にアセンブルを表示させる。映し出された機体の構成は、思った通り『ライズラック』とは全く異なるものになっていた。『ステラヴァッシュ』とも『ヴォワイヤン』のものとも違う。知らないアセンブルだ。
《――ルールの確認をする必要はあるか?》
聞こえてきた声に、エイビィは顔を上げる。
いつの間にか、正面には『ステラヴァッシュ』の巨体があった。
仮想空間における対戦シミュレーションの場合、戦う前に機体の動きの確認や調整のための待機時間が設けられている。それが終了したということだろう。……彼我のサイズ差も、大きく変わっている。『ライズラック』よりも大きく、恐らくは遅い機体だ……エイビィはきつく奥歯を噛みしめ、すぐに緩めた。
「必要ないでしょう。……今回は、パーツが壊れる心配もないんだし」
いつか聞いた言葉を繰り返すようなダリルの声に、ため息交じりに答えてエイビィは操縦桿を握り込んだ。
ダリルとチャーリーがどういうつもりなのか、このアセンブルが何なのか。
想像できるものはあったが、対戦が始まった以上はこちら側から中止を言い出すのは業腹だった。それに、何となればこちらの方が話が早い。
(――確かめたいのなら、確かめてみればいいんだわ)
締め付けるような頭痛には、もはや慣れてしまっている。
エイビィは『ステラヴァッシュ』が動き出すのに合わせて機体を右へ滑るように走らせた。
やはり、『ライズラック』よりは加速が弱い。ブースターはなく、加速を助けるのは補助輪だけだ。火器も射撃がメインになっており、エイビィにとっては扱いづらいアセンブルだった。その分装甲は厚いものの、ある程度攻撃を受けながらの戦いに慣れているかと言えば話は別だ。
滑るように地を這う機体を、『ステラヴァッシュ』の射撃が引っ掛ける。『箱』の内部の揺れによって再現される衝撃と、装甲の削られる表示を確認しながら、エイビィは舌打ちした。動きに支障はまだないレベルだが、何発も食らえば分からない。
ハイドラは榴弾砲を引き抜き、黒々とそびえたつ影へと差し向ける。
狙いを定める必要はほとんどなかった。『ステラヴァッシュ』の脚の付け根辺りで爆発が起こるのをカメラに捉えながら、エイビィは再び装甲で相手からの射撃を受ける。
エイビィは舌打ちした。何とかして近づきたいところではあるが、仮想空間にはすぐさま入れる遮蔽物はほとんどない。どうしても、撃ち合いながら向かっていく羽目になる。『ライズラック』であれば、射撃を回避しながら頭を取って近づくこともできるが、どうしてもこの機体では回避が遅れた。
(情けないこと!)
榴弾砲を機関砲にスイッチする。
できるだけ弾をばら撒きながら、二脚のハイドラは荒野を滑るように駆けて行った。
『ステラヴァッシュ』の弾幕は厚い。ばら撒かれる弾のすべてがこちらに当たるわけではないが、じりじりと装甲は削られていく。弾幕の差も装甲の差も、分かり切ったことだった。
《どうした、エイビィ!》
「いけしゃあしゃあと言ってんじゃないわよ!」
言い返しはするものの、明確な打開策があるわけでもない。――それこそ、この機体の本来の持ち主であれば、もう少し戦いようはあるのだろうが。
(……冗談)
こみ上げた吐き気に、エイビィは顎を引いた。
耳障りな音を立てて、機関銃の残弾がゼロを示す。粒子ブレードへと武器をスイッチし、忌々しい気持ちで『ステラヴァッシュ』の巨体を睨みつけた。『ライズラック』で相対していた時とは違って、ややこじんまりとして見えるが、それでも巨大には違いない……
「……あ。」
炎が散り、『ステラヴァッシュ』の火炎放射がハイドラの装甲を灼いた。近づかせる間を与えないまま、決着をつけるつもりなのだろう。
《教えてもらう! あんたについて、あんたが知ってること、全部!》
ダリルの言葉に、エイビィは言い返すことはなかった。
操縦桿を、大きく引き倒す。ハイドラは身を低くして炎を逃れ、まっすぐに『ステラヴァッシュ』へと向かっていった。
《――んぐっ!?》
黒い脚へ向かって、ハイドラが勢いよくぶつかった。なんということのない体当たりだが、『ステラヴァッシュ』にこれを避けるような機動性はない。今まで揺らぎもしなかった機体が大きくよろけ、ダリルが呻き声をあげる。
「全く、寝惚けてたわね!」
吐き捨てて、エイビィは身を乗り出した。
単純な話だ。この機体は『ライズラック』よりも大きく、重いのだ。
それでも上背は『ステラヴァッシュ』の半分程度に過ぎないが、それだけあれば近づくのに大した機動を弄する必要はなく、こうした格闘戦を仕掛けることもできる。何故、そんなことに気が付かなかったのか。
《だが、もう!》
ダリルが吠え、『ステラヴァッシュ』から炎が吹き上がる。それはさらにハイドラの機体を焼け付かせ、『箱』の中の計器が一斉にアラートを吐き出すが、構わない。
ハイドラが電磁ブレードを振り上げ、姿勢を崩した『ステラヴァッシュ』の機体を斬りつけた。装甲に弾かれ、大したダメージは与えられないが、織り込み済みだ。炎を振り払いながら、榴弾砲を斬りつけた場所へ向かって突きつける。
「……ええ、これで終わりよ――『シェファーフント』!」
ヘッドフォン越しに、ダリルが大きく動揺する気配。
エイビィは吐き気を堪えながら、榴弾砲の引き金を引いた。
◇ ◆ ◇
ブラックアウトした画面がこちらの勝利を告げるのを確認し、エイビィは『箱』を出た。同時に、横の『箱』から転がるようにダリルが飛び出してくるのを見て、眩暈を覚える。……できれば話もせずに立ち去りたかったが、どうやらそうもいかないようだ。
「――エイビィ!」
こちらの肩に掴みかからんばかりに詰め寄ってくるダリルから顔を背けて、エイビィは目を伏せた。
「約束は守ってもらうわ。もうつきまとわないで」
「っ、どうして、ビルのハイドラの名前を知っていたんだ……」
「ウィリアム=ブラッドバーンはかつて存在したハイドラチームの一員。乗機は中二脚の射撃タイプのハイドラ『シェファーフント』。二年前に撃墜されて以後行方不明」
並べ立てられた言葉に弾かれたように、ダリルは大きく身を引いた。エイビィはダリルと視線を合わせないまま、シミュレーションルームをぐるりと見渡す。少し離れた場所に、チャーリーが立っている。どういう表情をしているか、ここからは見えなかった。
「あなたに紐づいてる情報を少し調べればすべて分かることよ。まさか、チャーリーまで抱き込んで、彼のアセンブルを使わせるとはね。
……でも、これで分かったでしょう。あたしはあなたのお友達じゃない。話はこれで終わり。……それじゃ、失礼するわ」
言い放ち、エイビィはダリルに背を向けた。ダリルからかかる声はなかった。チャーリーからも。
頭痛は強くなる一方だった。エイビィは足早に、シミュレーションルームから立ち去った。
◇ ◆ ◇
腿に指を乗せて悲鳴を噛み殺す。腰から下が痺れたように感覚がなく、他人の体に触れているようだった。悪寒と頭痛と吐き気に目を回しながら、壁にもたれかかる。誰かに見られていない自信はなかった。それでも取り繕うのは限界だった。自分がどこにいるのかも分からなくなっている。震えた指で端末を取り出し、決められた手順でコールをする。ずるずると座り込んで、端末を顔に寄せた。
「ウジェニー……先生、助けて……」
目をつぶり、祈るような気持ちで言葉を紡ぐ。
相手が出るまで、そう時間はかからなかった。
NEWS
本日のニュースです華々しく復活したコロッセオは予想をはるかに超える盛り上がりとなっており企業連盟の幹部も祝賀ムードに包まれています
一方、コロッセオの運営にかかわりの薄い分野の幹部からは……
メフィルクライア 「おはようございます。メフィルクライアです!」 |
メフィルクライア 「混線から失礼します。メフィルクライアです」 |
メフィルクライア 「メルサリアの実験、参加してくれたかな? 耳寄りな情報をお届けしますよ!」 |
メフィルクライア 「ランページ・ユニット。かつての名を「水粒爆縮投射装置」……失われた、いや、歴史から消した神器」 |
メフィルクライア 「原理はいたって簡単。空気中の霧粒子をギュッと圧縮し、霧濃度を一瞬にして枯らした後、回避不能のスペシャル強力な砲撃を行います」 |
メフィルクライア 「霧濃度が一瞬で枯れるので、濃霧領域は当てにできません。ただ、隙もあります。戦場から失われた霧を補充するため、一定期間噴霧に徹します」 |
メフィルクライア 「メルサリアは取り戻しつつある……失われたもの全てを。わたしはそれを管理する義務があります。ではね。チャオ♪」 |
メフィルクライア 「わたしはあなたたちにも期待しています。何もかもが壊れ行く世界、連盟も、彼女も、始まりは正しき理性の元歩みだしました」 |
メフィルクライア 「でも、いつからか変わってしまった……理性を失い、暴力に支配され、いずれ全てを失うのでしょう。幾度となく……」 |
メフィルクライア 「あなたたちから感じるのは、仮初の理性でも、無秩序な暴力でもなく……わたしには分かりません。では、よろしくお願いします。それでは」 |
◆訓練
格闘の訓練をしました格闘が56上昇した
格闘の訓練をしました格闘が62上昇した
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
エイビィは二位王に飛速を送品した
エイビィはコルヴス・コラクスにゴーストステップ40を送品した
◆送金
エイビィはコルヴス・コラクスに700money送金した
◆破棄
エイビィは重ブースター『ワイルドビーストⅡ』を破棄した!!
エイビィはDaoine“AG”rithを破棄した!!
エイビィは片道切符を破棄した!!
エイビィは培養卵40を破棄した!!
◆購入
エイビィは[純正]排気ジェットを845cで購入した!!
エイビィはdroimarAis:T/M_v2を550cで購入した!!
エイビィは重装電磁杭射出装置〈耐霊〉を1216cで購入した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 高圧!! 消費ENが 40 増加!!
作成時補助発動! 高圧!! 消費ENが 40 増加!!
戦術用鉄杭『アントラー』と偽装隠腕『ブラック・パンサー』を素材にして格闘補助レーダー『ドラゴンフライ・アイ』を作製した!!
◆戦闘システム決定
バーサーク に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に操縦棺『コーディラス』を装備した
脚部2に瞬歩『デス・ロータス』を装備した
スロット3に高握力エンジンA-03『イスヒス』を装備した
スロット4にエンジンB『火男』を装備した
スロット5に[純正]排気ジェットを装備した
スロット6に重装電磁杭射出装置〈耐霊〉を装備した
スロット7にヴァン・エセルタインを装備した
スロット8にCA-2を装備した
スロット9にdroimarAis:T/M_v2を装備した
スロット10に硬質ダガー『リザーズ・テイル』を装備した
スロット11に格闘補助レーダー『ドラゴンフライ・アイ』を装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションC
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.276からのメッセージ>>
ENo.291からのメッセージ>>
(一通り言い終えたゼンは、相手の反応を待つが…
呆然と、している…?
やがて、反応があれば…)
メッセージを送信しました
>>Eno.233ユニオン >>Eno.4 >>Eno.286
ダイス 「別にかわいかねえよ、至ってシンプルだしな 服を色々選ぶのは苦手なんだ、それよかプログラム弄ってた方が楽しいしな」 |
ダイス 「ああ、なんだ。わざわざ店選んでくれたのか、ありがたいね だったらエイビィにエスコートを頼むとするか、どこに連れて行ってくれるんだ?」 |
(一通り言い終えたゼンは、相手の反応を待つが…
呆然と、している…?
やがて、反応があれば…)
ゼン 「… ぁ゛ー…悪ぃ。だよなァ… 驚かせちまったらすまねぇな。 お客さんにゃ、礼を言うのが習慣でな。」 |
ゼン 「おぉ、そうかい? そりゃ良かったぜ。 アンタの愛機は『ライズラック』か、なかなか良い名前じゃねぇの」 |
ゼン 「そーだなァ… … 大体は解り易い外見や言葉遣いをしてるモンだが、アンタは解り辛いなァ… ま、ミステリアスなのも悪くねぇさ。面白いヤツだな、アンタは。 どっちに見るかは… ちょいと保留させて貰うぜ。」 |
ゼン 「おうよ、そういう機会がありゃ… 製作者冥利に尽きるってモンだ。 そんときゃ、よろしく頼むぜ。」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.233ユニオン >>Eno.4 >>Eno.286
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 2100
攻撃戦果補正9.89%
支援戦果補正5.85%
防衛戦果補正10.3%
撃墜数補正 0.1%
未確認機補正2%
合計現金収入2751
整備費 -417
ユニオン費 -98
◆格闘値が1成長しました
◆反応値が1成長しました
◆経験値が115増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正9.89%
支援戦果補正5.85%
防衛戦果補正10.3%
撃墜数補正 0.1%
未確認機補正2%
合計現金収入2751
整備費 -417
ユニオン費 -98
◆格闘値が1成長しました
◆反応値が1成長しました
◆経験値が115増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
エイビィは対魔呪符41を入手した!
エイビィは対魔呪符41を入手した!
明日の戦場
第21ブロック
性能評価試験
新型量産兵器の性能を見たい。指定された部隊に襲撃をかけてくれ。向こうのパイロットはダミーコンピュータだ
来週の霧濃度:177%
来週の電磁波:8%
エマニュエル・クルシュカ |
赤さん本舗 |
カレリア・ニィルセン |
『偽りの幸運』エイビィ |
フェリックス・アロースミス |
ニ河白・道 |
リツィア・リィニス |
コルボ |
アズナヴィール・ウスイ |
東亞なまうに共同経営団体 |
如月 |
グラウコノメ |
アルマロス |
エステラ・ヴォルフラント |
Dr.オズ |
アクト=ユーティレス |
SAYU |
ゲッカ・フィフス |
老兵ウーリ |
ラグウェルフ |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
実験DR『ミスト・ヴェンジェンス』[ランページ] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
『電波塔』[霊障] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
重装甲DR『ルーク』[物理] |
『火焔浮遊機雷』[火炎] |
『バイオクイーン』[アンセトルド] |
遊撃機『クレイモア』[物理] |
キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 操縦棺A | 操縦棺『コーディラス』 [34/突撃態勢/突撃態勢]《装備:1》 | ▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | 軽逆関節A | 『善意』 [34/重暴力/重暴力] 機動[831] 跳躍[279] AP[447] 旋回速度[1118] 防御属性[粒子] 防御値[229] 貯水量[111] 積載量[2100] 消費EN[137] 金額[654] 重量[868] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
3 | 重ブースターA | 強襲『スペクターズ・オンスロート』 [34/高握力/高握力] | ▼詳細 |
4 | 操縦棺A | 耐霊操縦棺『蜘蛛の巣』 [34/耐霊/重量軽減] | ▼詳細 |
5 | レーダーA | 格闘補助レーダー『ドラゴンフライ・アイ』 [40/高握力/高握力]《装備:11》 | ▼詳細 |
6 | 素材 | 対魔呪符41 [41/耐霊/---] 特殊B[500] [素材] |
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7 | 噴霧機A | 噴霧器『スクイード』 [38/高圧軽量/薄装甲] | ▼詳細 |
8 | 重ブースターA | [純正]排気ジェット [39/高握力/突撃態勢]《装備:5》 | ▼詳細 |
9 | エンジンB | 高握力エンジンA-03『イスヒス』 [33/高握力/高握力]《装備:3》 | ▼詳細 |
10 | 軽二脚A | 瞬歩『デス・ロータス』 [36/突撃態勢/突撃態勢]《装備:2》 機動[1087] 跳躍[235] AP[516] 旋回速度[884] 防御属性[物理] 防御値[241] 貯水量[117] 積載量[1900] 消費EN[362] 金額[1173] 重量[700] [二脚] *作者* |
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11 | 重ブースターA | droimarAis:T/M_v2 [39/薄装甲/薄装甲]《装備:9》 | ▼詳細 |
12 | エンジンA | VL-heart2 [37/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
13 | エンジンB | エンジンB『火男』 [38/出力/出力]《装備:4》 | ▼詳細 |
14 | 重ブースターA | フライミートゥーザムーンⅱ [30/薄装甲/高圧軽量] | ▼詳細 |
15 | パイルA | 重装電磁杭射出装置〈耐霊〉 [39/重暴力/耐霊]《装備:6》 火力[3259] 連撃数[1] 防御属性[霊障] 防御値[1108] 貯水量[367] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[125] 金額[1216] 弾薬費[140] 重量[139] [物理格闘] *作者* |
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16 | 重ブースターA | 高機動ブースター【突撃仕様】 [28/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
17 | パイルA | 戦術用対霊パイル『アイアンニードル』 [37/耐霊/突撃態勢] 火力[2598] 連撃数[1] AP[-37] 防御属性[霊障] 防御値[1058] 貯水量[351] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[119] 金額[752] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
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18 | 硬質ダガーA | 硬質ダガー『リザーズ・テイル』 [35/高握力/高握力]《装備:10》 火力[648] 連撃数[3] 防御属性[粒子] 防御値[292] 精度[219] 貯水量[176] 弾数[12] 武器属性[速射] 異常追加[40] 消費EN[85] 金額[450] 弾薬費[10] 重量[50] [物理格闘] *作者* |
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19 | 素材 | 対魔呪符41 [41/耐霊/---] 特殊B[500] [素材] |
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20 | 補助輪A | Daoine“AG”rith [35/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
21 | ヒートソードA | ZH-lb/CC03R:RaccoonⅡ [36/高握力/臂力] 火力[1654] 連撃数[1] 防御属性[火炎] 防御値[973] 精度[185] 貯水量[330] 弾数[5] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[83] 金額[814] 弾薬費[50] 重量[130] [火炎格闘] *作者* |
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22 | 重ブースターA | 高出力ブースター「ゼピュロスⅠ」 [35/高機動/高機動] | ▼詳細 |
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24 | 補助輪A | おいしい赤飯 [36/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
25 | 腕部A | 試製薄装飛行腕部A-0 [37/薄装飛行/跳躍] | ▼詳細 |
26 | 重ブースターA | [純正]ファントムスピード [32/突撃態勢/突撃態勢] | ▼詳細 |
27 | パイルA | ヴァン・エセルタイン [38/出力/突撃態勢]《装備:7》 火力[3018] 連撃数[1] AP[-38] 防御属性[粒子] 防御値[1024] 貯水量[353] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[119] 金額[544] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
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28 | 腕部B | CA-2 [38/高握力/突撃態勢]《装備:8》 | ▼詳細 |
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