ENo.0070　ユリア・クールハート

『ＴＵＲＮ２４：先生の芸風』

「領域殲滅兵器……意外といけたな」
『エネルギー枯渇を起こしてたけどね』
『エンジンを三個積めば、なんとかいけるだろう。このままで次回も戦場に出てみるか？』
「そうだな」
「前回は平凡な能力嫌だとか何とか言ってしまったが、もらえる基本報酬は増えてきているのだから、戦果補正を狙って整備費がかさむより、狙われない位置から溜めて撃つ、という手もありだろう」
『卑怯な戦法って文句言われるかもしれないけど、みんな機体性能も目指すものも違うんだから、これはこれでありだと思うよ』
「……………」
「卑怯、か」
『？　どうしたの、ユリア？　僕、なんかまずい事言っちゃった？』
「いや、そうではないんだ。ただ、昔を思い出してな……」

　そう、あの訓練施設にいた、ハイエナみたいな顔をした教官。
　子供相手にも容赦無く卑劣な戦法を使って、地面に引き倒し、骨を折り、馬乗りになって笑う男だった。

『卑怯？　上等。どんな手を使ってでも勝利を得る。それの何が悪い？』

　彼はある日ふらっと姿を消し、そして。
　戦場で、敵軍の巨神機（アトラス）に乗って現れた。
　相変わらずのいやらしい戦法で追い詰められて、私は、

　私は。

「……どうしたっけ……？」
『ユリア？』
「ああ、いや、大丈夫だ。すまない」
『そう？　ならいいんだけど』
『ストラトスフェア攻略も近いだろうからな。余計な事は考えず、休める時に休んでおいた方が良い』
「そうだな、そうさせてもらう」

　何でもなさそうに二人に笑み返し、『トリグラフ』のシステムをシャットダウンして、操縦棺を出る。
　歩きながら思い出そうとしても、頭に靄がかかったようにぼんやりとして、知りたい光景は脳裏に浮かばない。
　だけど。

『そう！　そうだよユリア！　君も所詮卑怯者の同類なんだよ！』

　ノイズ混じりの通信で、奴が掠れた声で、それでもけたたましく笑っていた事だけは、覚えている。
　同類。
　そう、私は。

「人殺し、なんだよな……。昔も、今も」

To be continued...

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html