ENo.0070　ユリア・クールハート

『ＴＵＲＮ２８：肩の後ろの（中略）ロココ調の右並み』

「予想外だったな。というか、完全に予想の斜め右上だったな」
『まさか、見切りを失敗して、エネルギー回復が出来なくて、戦場のど真ん中で立ち往生とはね……』
『よく墜ちなかったものだと、流石に俺も思う』
『めちゃくちゃミサイルが飛んできて、正直生きた気がしなかったよ……』
「ニーユが造った操縦棺を、彼から奨められていなかったら、対処すら出来ないまま撃墜されていただろうな」
『もう、要塞戦が来るたんびに何か事故が起きるのは、様式美としか思えないね』
「……………」
「それなんだが………」
『ユリア？』
「バイオスフェア戦の時は、ボコボコにやられた事さえ忘れていたが……」
「リソスフェア戦の事も、思い出せない」
『え？』
「まだセロが来る前で、残像領域の何もかもがわからなくて」
「毎回の戦闘を生き残る事で必死だったにしても、戦闘記録を見返しても、全くピンと来ないんだ」
『……』
『……』
「本当に私がこんな戦い方をしたのか、こんな戦果を出したのか。他人事のようにしか思えない」
『しょうがないよ、ユリア』
『この残像領域は情報量が多い。直近の記憶に遠い記憶が塗り替えられてゆくのは、必然だろう』
『それに、あの頃の僕達は、日記でアイコン芸する事に必死で、オペレータだった人が殺された回でも、漫才やってたじゃない。全然緊張感無かったね！』
「……それか？」
『それしか考えられないな』
『最近やっと、ハイドラライダーの人達以外から送られてくるメッセージをまともに聞くようになったでしょ。あの頃は割と流してたからね』
「まあ……聞き流せない物騒な話も出てきたからな……。気をつけねばなるまい」
『とりあえず、気をつけるのは戦場だけでいいよ。今はゆっくり休んで。新しいアセンブル案は組んでおくから』
「ああ、そうだな。悪いが、今日はもう休ませてもらう」

『トリグラフ』のシステムがシャットダウンされ、少女が操縦棺から出てゆく。
　後には、電子の海に漂う少年と青年が、向き合うばかり。

『……セロ、ありがとう』
『いや。まだ、ユリアに言うべき頃合いではないと判断しただけだ』
『そう言うって事は、君も気づいてるんだね』
『ああ。ほぼ確実だ』
『「トリグラフ」は、戦えば戦うほど……』

《操縦しているハイドラライダーの記憶を削る》

To be continued...

Reinclaft-Millia Service

数年前にできた、残像領域の片隅の整備屋。
相場よりほんの少し高い値段で、ウォーハイドラのみならずライダーも整備する。
早い話が、機体のメンテをしに来るついでに、店主が常々作りすぎる飯のおこぼれにありつける整備屋である。
飯だけの利用も歓迎だが、この店にはメニューはない。店主が作りすぎたその日の飯が出されるだけである。

！店および店主（ENo.4）の既知可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/milliapede/union.html