ENo.0323　第306特殊試験部隊

思いっきりペダルを踏み込み、トリガーレバーを押し込み
電磁ブレードをジェネレーターに叩き込んだ。

ここは機械化ROMA帝国の機動要塞NEROのメイン動力炉。

時間は遡る。

「NERO砲…New.Energy.Run.Over砲、現R.O.M.A皇帝の名を冠する破壊兵器……機動要塞を出してくるとは
　連中はいよいよ本気らしい」
「また知らない中学生英語が出てきたよ。英語知育きぐるみ番組でもまだマシな単語出てくんだけど」

やっぱおたくらどころかこの世界ふざけてるだろとイラつくが
至って真面目な顔で続けられればもうやり場もない。

いよいよブリテン島からROMA兵を追い出す戦いに出向こうというところにこれだ。
だが聞くに終局点とも取れる。これに勝てばブリテン島は独立がとの沸き立っている。
しかしそこまで割く戦力がないのが実情であり、策を求められての発言だろうが
俺からしたら出せる案はひとつしかない上に、希望することは一つだ。


そう、単独での突入だ。
単機でしかできない、単機なら出来るというもので
長距離を増層とブースターで飛び込み、砲口から突入し
ジェネレーターを破壊する……やるやらないにせよ方法など限られている。
志願する者もいたが、全て跳ね除けて結局単機で今ジェネレーターを叩いている。

「聖剣使いの君がいなくなるのは惜しいことだ」

電磁ブレードな。

既に臨界点どころではなく、また空間が空漠状態になっているジェネレーターを前に最後の調整を始める。。

俺はこれを待っていた。
この世界にあるハイドラ搭載型以上のミストエンジン……
コレを使って、また転移を試みる。
今度は成功するといいんだが……
まぁここで爆発に巻き込まれて死ぬ確率よりはどこかに出る確率のほうが高い。

希望は一つ。今度はせめてうどんが食えるところがいい。
できればビールと牛丼もだ。

空腹だ。

アフラム本社は徹底的に破壊した。ジェネレーターの暴走と破壊と共に。
即ちほぼ消滅だ。
群がるように襲撃に来た賊、死肉を漁りに来た者、金で人を操る者……
それらは全て巨大なクレーターと成り果てた。

我々を縛るものはなく、我々が成さねばならないことはない。

故に空腹だった。

クレーターを背に携行食を齧るが味気がない。
せめてもう少しマシなものが食いたい。

例えば……