ENo.0685　かもめの亡霊 モーヴェ

『双子の魂の結び付きというのは強いらしくてね。錨のように、片方が片方を掴んで現し世から離さないんだって』
『いや、わからん』
『わかれよ』

『僕がいる限りモーヴェは幽霊のまま、そこでふわふわしているんだよ』
『死んでも双子ってやつは……迷惑な話だなクソ兄貴』
『いや、僕は嬉しいよ、モーヴェ。 僕らは死んでも双子だ』
『まあ、俺も、やりたかった事がまだやれるのは嬉しい』



……クソ。
棺をいじってるとろくな事思い出さない。
これならナース服着てた方が気分はマシだっての……


ぶつぶつ言いつつ叩いていると、歪んだ鉄板の影にのたうっているものが

……もう穴がどこかに空いてんのかなあ。
バイオ兵器の触手だろうか、鴎の次列風切羽を掴んでわずかに蠢いていた

それを見てオレは
すっかりハイドラライダーの頭になったオレは
良からぬことを閃いた





経歴はともかく。
我ながらカッコイイアセンブルじゃねーか？これ。

鼓動するアンセトルド・ユニット、
デバステイター・ユニットのうなる音、
グリスター・ユニットにつけた初列風切羽は風もないのに揺れて、
霧を細く吐き続けるランページ・ユニットもある。

…考えるな、感じろってやつだ。
この残像領域には硬質でカッコイイヤツが必要なんだ。

ユニオン名：ジャンク・パックス
　（勇ましい口ぶりの、低く加工された声がラジオや通信機から響いている）
　（どうやら、プロパガンダ……のようなユニオン参加の呼びかけだ）

　《集え同胞！　ジャンクの大地に産まれ、スクラップを食む獣たちよ！》
　《今こそ『群れ（パック）』を為し、敵を食い荒らす時だ！》


概要：
　いわゆる傭兵たちの為のユニオンです。
　目的の一つは「他のハイドラをぶっ壊してスクラップにして、スクラップを売り払ってお金持ちになろう！」
　そしてもう一つは「ジャンクみたいな機体で気取った金持ちたちを叩きのめしてのし上がろう！」です。
　雰囲気としては共産主義みたいな感じです。でもやってることはバリバリ資本主義。

　設立者がジャンク屋なのもあって、ジャンク品や廉価なパーツ、泥、ツギハギ、硝煙、戦場……
　その他モロモロに縁深い人にオススメです。もちろん縁がない人もオールオッケー。