ENo.0068　リュミドラ・カラビネル・レギナルト

相棒から連絡。

「リュミドラちゃーん、ちゃおっす。起きてるー？
最近カーミラちゃんに任せて戦ってたから、そろそろ顔だしておくれよー。
…もう、寒くなって来てる。
ルオシュやバルーナス達もどう動くか。大隊もよく分からなくなっちゃったし。
…で。リュミドラちゃんはメッセージ見た？
ギルデンロウからお誘いだよ。
大隊のエースが、インセンリー達と何か企んでる。
私としては路銀も稼げて酒の肴にできるって事で行きたいんだけど…
相棒はどう？」

………………

「…答えは、イエス、だよ。相棒。私のとこにもメッセージが来てる。」

「なら話は早いねー。後でいつもの酒場で話し合おっか。アンナちゃんとか寂しがってるしね！」

「アイツはアイツで真面目なトコあるし、まぁ、うん。顔出す。ウォッカ用意しといてくれ」



そうして、チアーズが集まる酒場。ああ、人は少ない。
寒い。外は異様な寒さだ。
客はハイドラライダーくらいしか居ない。
世界は終わりに。私達は晩餐に。

なあ相棒、凍り付くような世界は…どう思う？
私は人族が酷く嫌いだ。憎いしな。
蛮族と言われた竜魔族故でもある。

でもな。


世界を凍らせるような輩に黙って居られるわけないじゃん？
ならアツい甘い声、聞かせてやろう。
相棒の声な。

……んで、ギルデンロウのエース様には。
行くって伝えておこう。
同じ戦線になれれば何か持っていくか。
酒は……いや、乾物でも持っていくかね。


ははっ、酷くダブルスタンダードだよ、私な。

生き残った者達へ。
これから往く者達へ。
私たちは歌おう、今日この日があることを。
私たちは祝おう、今日この身があることを。

全ての生きとし生けるもの達へ。
健やかに、でもなく。末永く、でもなく。
ただただ只管満足な生と、満足な死が迎えられるように。

乾杯。