ENo.0558　アレクセイ＝イワノフ

ここ最近、寒い日が続くな。
フィンブルヴェト…大いなる冬とやらの前触れだろうか。
実際に植物なのか何かの比喩なのかは知らぬが『種子』を発芽させぬよう
冷却しているのだと言う者もいるが、はてさて。

今となっては随分昔に感じるが、回収された未確認機の残骸の中に
冷凍庫のように霜が張り付いたエンジンなんてものもあったな。
メフィルクライアの作戦の核と思われる『霜の巨人』こそが
全てのカギを握っているようだが…。

企業連盟のバルーナス氏もかつての権勢は無く凋落の一途。
雇い主としては失格だが、一個人としてはこうなると哀れだな。
もっとも、生と死が入り乱れる残像領域の戦場においては
生きてる限り、そして歩き続ける限り敗者では無い。
辺境のルオシュと組んで彼も大きな作戦に参加するようだが
霜の巨人にひと泡吹かせるのも可能かも知れぬな。

ルオシュを代表とする辺境の勢力、ヒルコ教団、そしてメルサリア。
方法論に違いはあるがいずれも当面の目的は霜の巨人の撃破か。
もっとも霜の巨人の撃破が『種子』の発芽を意味するのだとすると
一つの脅威を打ち倒す事で別の脅威が現われる事になるな。

コロッセオ最終開催の知らせが来ていたな。
この御時勢に興業試合もなんだが、人々には娯楽も必要だ。
ウォーデンの新装備のテストも兼ねて一度くらいは参加してみるか。

流行遅れの遊具の工場にカモフラージュされた秘密基地。
冬は車輪をソリに換装するロシアの３頭立て馬車が名前の由来。