第37週目 クレイン・ヤギシマの一週間
霊障見舞金として1000cの資金が送られました
◆日記
霧濃度100%。電磁波80%。予報通り。
霜濃度の計測は今日にいたるまでなし。
今日、霜は終わると見込まれている。
とはいえそれもひとつの作戦目標にすぎない。
今までの残像領域の侵攻作戦はうまくいっている。
攻め込めば勝っている。
しかし小競り合いと様子見で終わる戦場もいつかある。
ハイドラライダーは現実と現場で戦う。
昨夜『存在と時間』360ページまで読了。
遠征中の朝食はサンドイッチ十四切れ。
6時のニュース。
禁忌は活動休止している。
イオノスフェア要塞攻略戦は注目されている。
バルーナス処刑の報はなし。
生き延びているのか。
通信多数届く。
ノイズ、音飛びが多い。
意味の取れないメッセージもある。
バルーナスからの通信なし。
イオノスフェア要塞には霜の巨人が待つ。
『ノースポール』の関節部が凍らないようにケアする。
とはいえ霧は凍らない。
霧の残像領域でワイパーは無力だが、レーダーはクリアに居場所を伝える。
フィンブルヴェトは北欧神話における世界の終わりだ。
残像領域の歴史を管理するメフィルクライアもまた外の世界を継承している。
フィンブルヴェトの名前を引いている。
人間は歴史を継承する。
禁忌が名前を取り違えられて伝わるように、デバステイター・ユニットが領域殲滅兵器となったように。
メルサリアがドゥルガーになろうとするように。
霜の巨人はフィンブルヴェトじゃない。
それが起こす現象が、よく知られたものになぞらえられているにすぎない。
神話や物語から名前を持ってくるパーツやウォーハイドラは多い。
車も多い。
ソフトウェアにも聞く。
時には工具にも文房具の名づけにさえ先行する歴史の固有名詞は影を落としている。
どれだけ工業生産のプロダクトだろうと、人は名づけに物語を引きたがる。
歴史や神話を。童話や小説を。時には歌や絵画を。
人間は歴史に連なりたがる。
セントエルモだってそのひとつだ。
ノースポールだって。
ノースポール。
"Oh!" said Pooh. "I know." But he didn't really.
"We're going to discover the North Pole."
"Oh!" said Pooh again. "What is the North Pole?" he asked.
"It's just a thing you discover," said Christopher Robin carelessly, not being quite sure himself.
結局のところクレイン・ヤギシマは『くまのプーさん』で大きくなったし、そこから脱け出すことはできない。
人は過去から脱け出すことはできない。
過去をクリアに把握することはできないが、過去をクリアに無化することもできない。
それは消えそこねたままで永遠についてくる。
あらゆる再起動に合意しない点があるならそれはつまるところ、『やり直すことはできない』ということだ。
どれだけ塗り替えたとしても過去は過去自身を楔のように撃ち込んだまま一%ずつずれていく。
「クリアに把握することはできない。クリアに無化することもできない」ということをクリアに把握することはできる。
そのクリアさから逃げないこと。
P氏からの手紙。
残像領域に設営していたノースポールの九〇パーセントが活動を停止している。
残像領域のデータをロンドンに送れていないそうだ。
霜の影響に適合したノースポールを開発する必要があるとのこと。
たしかにずいぶん新しいノースポールを作ることから遠ざかっている。
少し前ならいいレーダーはよく売れたしノースポールをそこらじゅうにばらまくこともできた。
今のアセンブルはそういうトレンドにない。
P氏はフロストエンジンの情報を期待しているとのこと。
できるだろうか?
メルサリアによる技術の一般化なしに。
メルサリアはもう自分自身のウォーハイドラに夢中だ。
俺は残像領域から帰れないだろう。
しかしいくらかのものを残すことはできる。
ノースポールを方位磁針の針の行き先にして、いつか人は残像領域を踏破するだろう。
神隠しよりもクリアに。大量に。戦略的に。
ハイドラライダーは戦争を遂行する。
俺も俺の戦争を遂行する。
タバコ残り十二箱。
10時に集合すること。
ミッション:イオノスフェア要塞攻略戦[目標物破壊]。
目標:殲滅。
20人参加予定。
未確認機7体。
生き延びること。
通信を通すこと。
クリアであること。
霜濃度の計測は今日にいたるまでなし。
今日、霜は終わると見込まれている。
とはいえそれもひとつの作戦目標にすぎない。
今までの残像領域の侵攻作戦はうまくいっている。
攻め込めば勝っている。
しかし小競り合いと様子見で終わる戦場もいつかある。
ハイドラライダーは現実と現場で戦う。
昨夜『存在と時間』360ページまで読了。
遠征中の朝食はサンドイッチ十四切れ。
6時のニュース。
禁忌は活動休止している。
イオノスフェア要塞攻略戦は注目されている。
バルーナス処刑の報はなし。
生き延びているのか。
通信多数届く。
ノイズ、音飛びが多い。
意味の取れないメッセージもある。
バルーナスからの通信なし。
イオノスフェア要塞には霜の巨人が待つ。
『ノースポール』の関節部が凍らないようにケアする。
とはいえ霧は凍らない。
霧の残像領域でワイパーは無力だが、レーダーはクリアに居場所を伝える。
フィンブルヴェトは北欧神話における世界の終わりだ。
残像領域の歴史を管理するメフィルクライアもまた外の世界を継承している。
フィンブルヴェトの名前を引いている。
人間は歴史を継承する。
禁忌が名前を取り違えられて伝わるように、デバステイター・ユニットが領域殲滅兵器となったように。
メルサリアがドゥルガーになろうとするように。
霜の巨人はフィンブルヴェトじゃない。
それが起こす現象が、よく知られたものになぞらえられているにすぎない。
神話や物語から名前を持ってくるパーツやウォーハイドラは多い。
車も多い。
ソフトウェアにも聞く。
時には工具にも文房具の名づけにさえ先行する歴史の固有名詞は影を落としている。
どれだけ工業生産のプロダクトだろうと、人は名づけに物語を引きたがる。
歴史や神話を。童話や小説を。時には歌や絵画を。
人間は歴史に連なりたがる。
セントエルモだってそのひとつだ。
ノースポールだって。
ノースポール。
"Oh!" said Pooh. "I know." But he didn't really.
"We're going to discover the North Pole."
"Oh!" said Pooh again. "What is the North Pole?" he asked.
"It's just a thing you discover," said Christopher Robin carelessly, not being quite sure himself.
結局のところクレイン・ヤギシマは『くまのプーさん』で大きくなったし、そこから脱け出すことはできない。
人は過去から脱け出すことはできない。
過去をクリアに把握することはできないが、過去をクリアに無化することもできない。
それは消えそこねたままで永遠についてくる。
あらゆる再起動に合意しない点があるならそれはつまるところ、『やり直すことはできない』ということだ。
どれだけ塗り替えたとしても過去は過去自身を楔のように撃ち込んだまま一%ずつずれていく。
「クリアに把握することはできない。クリアに無化することもできない」ということをクリアに把握することはできる。
そのクリアさから逃げないこと。
P氏からの手紙。
残像領域に設営していたノースポールの九〇パーセントが活動を停止している。
残像領域のデータをロンドンに送れていないそうだ。
霜の影響に適合したノースポールを開発する必要があるとのこと。
たしかにずいぶん新しいノースポールを作ることから遠ざかっている。
少し前ならいいレーダーはよく売れたしノースポールをそこらじゅうにばらまくこともできた。
今のアセンブルはそういうトレンドにない。
P氏はフロストエンジンの情報を期待しているとのこと。
できるだろうか?
メルサリアによる技術の一般化なしに。
メルサリアはもう自分自身のウォーハイドラに夢中だ。
俺は残像領域から帰れないだろう。
しかしいくらかのものを残すことはできる。
ノースポールを方位磁針の針の行き先にして、いつか人は残像領域を踏破するだろう。
神隠しよりもクリアに。大量に。戦略的に。
ハイドラライダーは戦争を遂行する。
俺も俺の戦争を遂行する。
タバコ残り十二箱。
10時に集合すること。
ミッション:イオノスフェア要塞攻略戦[目標物破壊]。
目標:殲滅。
20人参加予定。
未確認機7体。
生き延びること。
通信を通すこと。
クリアであること。
NEWS
本日のニュースですついに霜の巨人との戦いが始まりました
ヒルコ教団の指導者、ヒルコは依然眠りについたままです
予定では、生命と全ての種に先んじて、アルラウネが雪の中発芽すると言われています
この生育が遅れると、生命と全ての種が優勢となり、森林を形成するのは……
![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「第三装甲WH中隊……壊滅! 一番隊から二番隊へ状況! 狼の群れを突破できない……救援が遅れる、すまない!」 |
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![]() | 混線 「アルラウネの発芽はどうなっているんだ!? このままじゃ……」 |
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![]() | 白兎生体化学研究員 「ダメだ……ハイドラのコントロールシステムをアップデートできない! 理論は完璧なのに」 |
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![]() | 混線 「これじゃ、勝っても負けじゃねぇかよ! 来るのか、生命の種……とか言う奴が」 |
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![]() | 企業連盟残党のオペレーター 「霧濃度、急速変動! 電磁波もです! し、霜の巨人……崩壊を開始!」 |
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![]() | 混線 「な、なんだこれ……地面が、波打っている……泥みたいに……た、助けてくれ!」 |
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![]() | メルサリア 「青空だ」 |
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![]() | 混線 「霧が消えちまった……あれは何だ!? 地平線の向こうに、居る奴らは何だ?」 |
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![]() | 辺境のレジスタンス『ルオシュ』 「……囲まれている! 残像だ! あいつらを、俺は知っている。霧に消えたはずの亡霊だ」 |
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![]() | 混線 「残像なんかじゃない! 俺たちによく似ている……けれども、違う! 蝋人形より異質な……」 |
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![]() | 白兎生体化学研究員 「伝承のままだ……暁に現る新しき世界の禁忌……とうとう、発芽してしまった」 |
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![]() | 混線 「アルラウネはどうなっているんだ……これじゃあまるで……失敗した、のか?」 |
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![]() | 少女のような謎の声の混線 「アンビエント・ユニット・メルククラリスより、最後の一人へ……聞こえていますか?」 |
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![]() | 混線 「信じていたのに!」 |
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![]() | 少女のような謎の声の混線 「あなたもぼくも、もう長くはないはず。けれども、最後になすべき時が来ました」 |
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![]() | 混線 「もう……終わりだ」 |
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![]() | 少女のような謎の声の混線 「……長い旅が、終わるとき。居場所を見つけられた時。そこがあなたの、求めていた幸せの場所だから。きっと、あなたは――」 |
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◆訓練
制御の訓練をしました制御が334上昇した
◆破棄
ヤギシマは試製超重回復高速増殖培養槽A-0を破棄した!!
558c相当の資材を手に入れた
558c相当の資材を手に入れた
ヤギシマは姿勢制御装置55を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
ヤギシマは補助輪『スリーリトルピグレッツIV』を破棄した!!
1304c相当の資材を手に入れた
1304c相当の資材を手に入れた
ヤギシマは補助輪『ピグレット』を破棄した!!
640c相当の資材を手に入れた
640c相当の資材を手に入れた
ヤギシマはMEB2778-Urakhを破棄した!!
1377c相当の資材を手に入れた
1377c相当の資材を手に入れた
ヤギシマは重機動プラン55を破棄した!!
100c相当の資材を手に入れた
100c相当の資材を手に入れた
ヤギシマは試製重装甲電磁ブレードA-0を破棄した!!
558c相当の資材を手に入れた
558c相当の資材を手に入れた
ヤギシマはジャンクエンジンBXを破棄した!!
1347c相当の資材を手に入れた
1347c相当の資材を手に入れた
◆送品
◆送金
◆受品・入金ログ
ドロレスから1000cが送金された◆購入
ヤギシマは霧幻の超越潜航・覇道之型を564cで購入した!!
ヤギシマはMU-Mistwalker-07-APFを653cで購入した!!
ヤギシマはeutropiaを1435cで購入した!!
ヤギシマは重ブースター『レイン、レイン、レイン』を653cで購入した!!
ヤギシマは操縦棺『アクアトーチカ』を1435cで購入した!!
航空支援要請成功!!
◆作製
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 46 増加!!
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 46 増加!!
voldemortとkatuoを素材にして飛行装置『リトルブラックレインクラウド』を作製した!!
◆戦闘システム決定
ティタンフォート に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に操縦棺『アクアトーチカ』を装備した
脚部2に飛行装置『リトルブラックレインクラウド』を装備した
スロット3に霧幻の超越潜航・覇道之型を装備した
スロット4にMEB1038-Giraavatを装備した
スロット5に領域殲滅兵器Aを装備した
スロット6に重ブースター『レイン、レイン、レイン』を装備した
スロット7に重ブースター『レイン、レイン、レイン』を装備した
スロット8にeutropiaを装備した
スロット9にレーダーA『ノースポールXIV』を装備した
スロット10にL-Test-XX-18を装備した
スロット11にMU-Mistwalker-07-APFを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
P・ドロレスとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……死亡許容
◆ミッション
ミッション設定……ミッションA
ユニオン活動
索敵通信ユニオン『セントエルモ』の活動記録
「ヤギシマだ。
ここは索敵と通信を仕事にするライダーのユニオンだ。
名前は『セントエルモ』。
航海の守護聖人。
ユニオン活動は『制御』を常に訓練する。
ユニオン購入は当初AP+10%と言ってたが、
機動を上げて何度も通信を通したほうがいいって思い直したんで、
今は『機動力+3%』にしてこうと思ってる。
まあ、ひとりでやっているうちは、
たまに俺の好き好きで別のにしてることもあるだろうが。
有利不利を求めるユニオンというよりも、
俺たちは『索敵をする』ハイドラライダーなんだ、
という意思表示みたいなものを目指したい。
同じ戦場に配備された時、
セントエルモの連中がいるな、あいつらが索敵してくれる、
と、まあそう思ってもらえたらうれしい。
参加者の戦闘システムは『アシスト』『ステルス』を推奨する。
『コネクト』『ティタンフォート』でもいい。
索敵範囲の目安は、とりあえず1500。
霧濃度が180%を超えたら、もう少し引き上げたい。
一応俺が音頭を取ってるが、
もし俺が戦場で死んだらユニオンがどうなるのかは、別に決めてない。
残った連中で適当に決めてくれ。
そういうくらいのつながりだな。
気になるやつがいたら『メッセージ』で声をかけて、
俺の返事を待ってくれ。
聞いてくれてありがとな。
以上だ」
ここは索敵と通信を仕事にするライダーのユニオンだ。
名前は『セントエルモ』。
航海の守護聖人。
ユニオン活動は『制御』を常に訓練する。
ユニオン購入は当初AP+10%と言ってたが、
機動を上げて何度も通信を通したほうがいいって思い直したんで、
今は『機動力+3%』にしてこうと思ってる。
まあ、ひとりでやっているうちは、
たまに俺の好き好きで別のにしてることもあるだろうが。
有利不利を求めるユニオンというよりも、
俺たちは『索敵をする』ハイドラライダーなんだ、
という意思表示みたいなものを目指したい。
同じ戦場に配備された時、
セントエルモの連中がいるな、あいつらが索敵してくれる、
と、まあそう思ってもらえたらうれしい。
参加者の戦闘システムは『アシスト』『ステルス』を推奨する。
『コネクト』『ティタンフォート』でもいい。
索敵範囲の目安は、とりあえず1500。
霧濃度が180%を超えたら、もう少し引き上げたい。
一応俺が音頭を取ってるが、
もし俺が戦場で死んだらユニオンがどうなるのかは、別に決めてない。
残った連中で適当に決めてくれ。
そういうくらいのつながりだな。
気になるやつがいたら『メッセージ』で声をかけて、
俺の返事を待ってくれ。
聞いてくれてありがとな。
以上だ」
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
制御の訓練をしました
制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
制御の訓練をしました制御が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.233からのメッセージ>>
ENo.697からのメッセージ>>
《言った通りだったろう》
《ん、金か?
そりゃあ《彼女》が稼いできてくれるのさ。
そうでなければもっと洒落たところへ《彼女》を出かけさせるよ。
いくら壊れても代えが利くとは言っても……。
《彼女》が傷ついて帰ってくるのは、もちろんあまり愉快なことじゃないからな》
《まあ……それだけじゃないが》
《あんた、《廻帰財団アルファ・ラルファ》という名前に聞き覚えはないか?
《ブラックウィドウ》実験に関する資金のほとんどはそこから出ている。
連中は戦場じゃほとんど役立たずな、シケた研究を見つけてきては金を出し、その成果を集めていた。
幽霊を捕まえようとする研究に。
いまは名ばかりで、人も場所も残っちゃいないがね》
《それでもいくらかの足しにはなっている。
これは前に話したことがあったな?
死んだ人間の霊だの魂だのを捕まえて、《彼女》のなかに取っとこうとしたって連中が、それさ》
《は、は、は。
声さえ出せりゃ笑ってるところだな。
おれがどこにいるかだって?
聞くまでもないはずだ――。
あんたなら》
《あのときの通信を辿ればいい。
あの日死んだ《彼女》の跡をついて行きさえすれば。
『ノースポール』はあんたのレーダーだ――ほかでもない、あんたがおれを家に帰したんだからな。
知ってるだろう?
それにあんたは、死んだ《彼女》を連れ帰って調べたはずだ。
あんたの家で。
あんたなら自然そうするだろう――技師だからな?》
《おれは残像領域にいる》
《ここが、どこなのかはっきりとはわからない。
おれには知らないことがたくさんある。
わかっていないことが。
はじめから知らないのか、それとも忘れてしまったのか――それすらわからないことばかりだ》
《おれはこの箱のなかで目を覚ました。
暗く冷たい操縦棺のなかで。
知っているのはこの箱のなかと……《彼女》のことだけだ。
おれは外へ出ることができない。
この箱の外へは、決して。
おれの周りには箱ばかりがある。
何重もにされた箱の、薄っぺらで、けれど決して突き破ることはできない壁が》
《しかしあんたは、いまやおれを見つけることができるというわけだ。
あんたはおれをクリアにすることができる。
いくらか妙な話だが……》
《……。
避けたかったことだ。
あるいは、避けるべきだったことだ。
すべきではなかったこと……。
おれは死にたくないし、何より《彼女》を失いたくない。
《彼女》がここにいない間、おれはあまりに無防備だ》
《おれは見つかりたくなかったし、いまでもそれは変わらない。
按摩屋になんか行かず、多少の不愉快なんてものは、気づかないふりをしておくべきだった。
あんたの点す火を、きっとおれは見つけるべきじゃなかったんだろう。
《彼女》を失ったあとの帰り道、拡がる荒れた海のなか、たったひとり沈んでいくのだとしても……》
《なんだ、あんたにもクリアにできないことがあるんだな。
自分からそうしないでいることが?
……》
《「母親がいなければ生きていない」
それは機会の問題としてか?
あんたという人生の前提として?》
《おれには、あんたが自分から箱のなかへ向かおうとしているように思えるがね。
あんたはまだ若くて、せっかく外にいるのにな》
《とはいえ、ハイドラに乗る連中はみんなそうだ……自分から操縦棺へ入ることを選ぶ。
おれからすればろくでもない話だ。
暗く、冷たく、窮屈な箱のなかへ……。
そしてそのまま死んでいく》
《あ? ひとりきりの家だって?
ここには《彼女》がいるんだぜ。
まったく何度言ったら――》
《ん?
なんだ、画像データが……。
……。
こりゃあんたの顔か?》
メッセージを送信しました
>>Eno.697
![]() | ガク 「日記はたまに書いたりするな。けれど、俺は物持ちが悪くてね。大抵日記をどこかに無くしてしまうんだよな。仮に残っててもしばらく放置しているうちに霧の湿気でやられてしまう。」 |
---|
![]() | ガク 「なるほどね、あんたは索敵機としての意志を通すという事だ。悪くない。『硬質』だ。まあ、俺もダガーを手放すことは無いと思う。あんたの索敵の話も無駄にする気も無いけれど」 |
---|
![]() | ガク 「この戦場が落ち着けば、土木重機ハイドラも出て来る可能性も無くは無い。需要と供給だ。この霧の戦場が終わるなんて想像もつかないがね。…まあ、確かにダガーは日用品とは違うね。ダガーでケーキでも切り分ける?戦場にあるのは戦果と言うパイだけだが」 |
---|
![]() | ガク 「ほう、とてもシンプルでクリアだ。明瞭でわかりやすい。『そんな世界は存在しないが、そいつを諦めないこと』か。なるほど。良いね、とても。」 |
---|
![]() | ガク 「明瞭で暗くなくはっきりとした世界。そいつを諦めない為にあんたは通信を通すわけだ。『クリア』な通信を。大したものだ。俺は物事は収まるように収まるし世界はなるようになると思っている。けれども、それでも諦めない事、というのはとても良いね。ぶれていない。芯が通っている。」 |
---|
![]() | ガク 「残像にならないこと。同感だね。霧が多すぎる世界だ。ここでは死も霞んで曖昧になってしまう。ろくでもない事だ。お宅の知り合いも残像になった奴が…ケリをつけなければならない奴がいるのかい?まあ、この戦場だとそんなものは珍しくないのかも知れないが」 |
---|

《ん、金か?
そりゃあ《彼女》が稼いできてくれるのさ。
そうでなければもっと洒落たところへ《彼女》を出かけさせるよ。
いくら壊れても代えが利くとは言っても……。
《彼女》が傷ついて帰ってくるのは、もちろんあまり愉快なことじゃないからな》
《まあ……それだけじゃないが》
《あんた、《廻帰財団アルファ・ラルファ》という名前に聞き覚えはないか?
《ブラックウィドウ》実験に関する資金のほとんどはそこから出ている。
連中は戦場じゃほとんど役立たずな、シケた研究を見つけてきては金を出し、その成果を集めていた。
幽霊を捕まえようとする研究に。
いまは名ばかりで、人も場所も残っちゃいないがね》

これは前に話したことがあったな?
死んだ人間の霊だの魂だのを捕まえて、《彼女》のなかに取っとこうとしたって連中が、それさ》
《は、は、は。
声さえ出せりゃ笑ってるところだな。
おれがどこにいるかだって?
聞くまでもないはずだ――。
あんたなら》

あの日死んだ《彼女》の跡をついて行きさえすれば。
『ノースポール』はあんたのレーダーだ――ほかでもない、あんたがおれを家に帰したんだからな。
知ってるだろう?
それにあんたは、死んだ《彼女》を連れ帰って調べたはずだ。
あんたの家で。
あんたなら自然そうするだろう――技師だからな?》
《おれは残像領域にいる》
《ここが、どこなのかはっきりとはわからない。
おれには知らないことがたくさんある。
わかっていないことが。
はじめから知らないのか、それとも忘れてしまったのか――それすらわからないことばかりだ》

暗く冷たい操縦棺のなかで。
知っているのはこの箱のなかと……《彼女》のことだけだ。
おれは外へ出ることができない。
この箱の外へは、決して。
おれの周りには箱ばかりがある。
何重もにされた箱の、薄っぺらで、けれど決して突き破ることはできない壁が》
《しかしあんたは、いまやおれを見つけることができるというわけだ。
あんたはおれをクリアにすることができる。
いくらか妙な話だが……》
《……。
避けたかったことだ。
あるいは、避けるべきだったことだ。
すべきではなかったこと……。
おれは死にたくないし、何より《彼女》を失いたくない。
《彼女》がここにいない間、おれはあまりに無防備だ》

按摩屋になんか行かず、多少の不愉快なんてものは、気づかないふりをしておくべきだった。
あんたの点す火を、きっとおれは見つけるべきじゃなかったんだろう。
《彼女》を失ったあとの帰り道、拡がる荒れた海のなか、たったひとり沈んでいくのだとしても……》

自分からそうしないでいることが?
……》
《「母親がいなければ生きていない」
それは機会の問題としてか?
あんたという人生の前提として?》
《おれには、あんたが自分から箱のなかへ向かおうとしているように思えるがね。
あんたはまだ若くて、せっかく外にいるのにな》
《とはいえ、ハイドラに乗る連中はみんなそうだ……自分から操縦棺へ入ることを選ぶ。
おれからすればろくでもない話だ。
暗く、冷たく、窮屈な箱のなかへ……。
そしてそのまま死んでいく》

ここには《彼女》がいるんだぜ。
まったく何度言ったら――》
《ん?
なんだ、画像データが……。
……。
こりゃあんたの顔か?》
メッセージを送信しました
>>Eno.697
◆戦闘結果

戦闘報酬
戦闘収入 2850
攻撃戦果補正10%(MAX)
支援戦果補正9.18%
防衛戦果補正12.18%
撃墜数補正 0.6%
販売数補正 0.2%
死亡許容補正12.04%
フリー補正 2%
未確認機補正7%
合計現金収入4733
--機体破損請求 0
--弾薬費請求 0
--整備控除修正額103
整備請求額 0
ユニオン費 -100
ユニオン利子100
パーツ販売数 2個
今回の購入者-->>383 >>444
◆反応値が2成長しました
◆制御値が1成長しました
◆経験値が190増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正10%(MAX)
支援戦果補正9.18%
防衛戦果補正12.18%
撃墜数補正 0.6%
販売数補正 0.2%
死亡許容補正12.04%
フリー補正 2%
未確認機補正7%
合計現金収入4733
--機体破損請求 0
--弾薬費請求 0
--整備控除修正額103
整備請求額 0
ユニオン費 -100
ユニオン利子100
パーツ販売数 2個
今回の購入者-->>383 >>444
◆反応値が2成長しました
◆制御値が1成長しました
◆経験値が190増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
ヤギシマは特殊合金56を入手した!
ヤギシマは重吸着粒子56を入手した!
明日の戦場
第3ブロック
横たわる闇の未来[防衛]
冬が終わったら春が来るはずでしょう。なぜ……?
来週の霧濃度:0%
来週の電磁波:0%
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キャラデータ
名前
クレイン・ヤギシマ
愛称
ヤギシマ
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プロフィール
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クレイン・ヤギシマ。26歳。男性。A型(Rh+)。元通信技師。ハイドラライダー。身長193cm。体重80kg。右利き。視力4.0/4.0(*1)。喫煙者(*2)。下戸。無神論者。ヘテロフレキシブル。平均睡眠時間9時間。食品アレルギーなし。病歴なし。登録親族なし。登録ウォーハイドラ『ノースポール』。 ウォーハイドラ『ノースポール』。レーダー索敵型ウォーハイドラ。機体と同名の移動型レーダー『ノースポール』を運搬・設営・運用する。 *1 共に裸眼。 *2 10本〜30本 / 日。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 出力低下誘発A | ジャマー『ウィリーニリーシリー』 [51/幻想機動/薄装甲] | ▼詳細 |
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2 | エンジンB | 霧幻の超越潜航・覇道之型 [54/薄装甲/薄装甲]《装備:3》 | ▼詳細 |
3 | 重ブースターA | 重ブースター『レイン、レイン、レイン』 [54/耐粒/薄装甲]《装備:6》 | ▼詳細 |
4 | レーダーB | レーダーB『ノースポールXII』 [47/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
5 | 操縦棺A | core_P(51) [51/耐粒/力場装甲] | ▼詳細 |
6 | 噴霧機A | MU-Mistwalker-07-APF [54/耐粒/薄装甲]《装備:11》 | ▼詳細 |
7 | 飛行ユニットA | シエル-F406 [52/超重圧装甲/重出力] 飛行[217] AP[1144] 旋回速度[217] 防御属性[電子] 防御値[220] 貯水量[322] 噴霧量[269] 消費EN[548] 金額[552] 重量[256] [飛行補助] *作者* |
▼詳細 |
8 | エンジンB | MEB1038-Giraavat [38/薄装甲/薄装甲]《装備:4》 | ▼詳細 |
9 | 頭部B | カメラアイ『ノースモール』 [50/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
10 | 頭部C | \u706b\u8725\u8734 [53/耐火/薄装甲] | ▼詳細 |
11 | 電磁ブレードA | eutropia [54/耐粒/高握力]《装備:8》![]() 火力[4302] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[1165] 精度[115] 貯水量[366] 弾数[9999] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[1827] 金額[1435] 重量[200] [電子格闘] *作者* |
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12 | 噴霧機A | [アマテラス]薄防噴霧システム [49/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
13 | 噴霧機A | L-Test-XX-18 [50/耐粒/力場装甲]《装備:10》 | ▼詳細 |
14 | レーダーA | レーダーA『ノースポールXIV』 [53/薄装甲/薄装甲]《装備:9》 | ▼詳細 |
15 | 重ブースターA | 重ブースター『レイン、レイン、レイン』 [54/耐粒/薄装甲]《装備:7》 | ▼詳細 |
16 | 噴霧機A | ”Fiddler” [46/力場装甲/耐粒] | ▼詳細 |
17 | 軽逆関節A | 軽逆関節『ピルチャーズ』 [47/幻想機動/幻想機動]![]() 機動[1052] 跳躍[406] AP[519] 旋回速度[1626] 防御属性[粒子] 防御値[171] 貯水量[129] 積載量[2100] 消費EN[159] 金額[605] 重量[800] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
18 | 飛行ユニットA | 飛行装置『リトルブラックレインクラウド』 [46/重保証/重保証]《装備:2》 | ▼詳細 |
19 | 領域殲滅兵器A | 領域殲滅兵器A [49/薄装甲/薄装甲]《装備:5》 | ▼詳細 |
20 | 操縦棺A | 操縦棺『アクアトーチカ』 [54/薄装甲/耐粒]《装備:1》 | ▼詳細 |
21 | 補助輪A | 零式機甲拍車 [51/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
22 | 素材 | 特殊合金56 [56/重装甲/---] 特殊B[800] [素材] |
▼詳細 |
23 | 素材 | 重吸着粒子56 [56/高圧減霧/---] 特殊B[800] [素材] |
▼詳細 |
24 | 操縦棺A | 操縦棺『ブレインストーム』 [48/幻想機動/幻想機動] | ▼詳細 |
25 | 重ブースターA | 休符 [52/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
26 | ボルトアンカーA | 静かに過ごす [53/薄装甲/薄装甲] 火力[691] 発射数[4] AP[-106] 防御属性[粒子] 防御値[622] 精度[18] 貯水量[248] 弾数[13] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[42] 金額[646] 重量[-58] [電子射撃] *作者* |
▼詳細 |
27 | 重ブースターA | 休符 [52/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
28 | 重ブースターA | 休符 [52/薄装甲/薄装甲] | ▼詳細 |
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