ENo.0344　ネッサ・ガラヴァン

「メイヤード、頼みがある。」
なんだ、とこの頃すっかりパン屋が板についた険しい顔の女が応える。
基本的に話しかけた方の女―ネッサ―は、普段口を開かない。
だが、そんなことは話しかけられた方の女―メイヤード―にとってどうでもいいことだ。
鎖に繋いだ獣が噛み付いてきたならともかく、口を聞いたところで彼女は一切動じない。

「世話になった人がいる。」
「今の自分は獣だ。ただお前に縛られる暴力装置だ。」
パン生地をこね、クリームを泡立てながら聞く女。
早朝の4時。仕込みの時間はさながら戦場である。

『…人のために働きたいか？パンを焼くに飽き足らず。』
メイヤードの返事は意外にもネッサの意を汲んでいた。
それは、オーブンの温度が霜を退けた世界において快調にあがることと無関係ではないだろう。
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戦禍の爪痕、無数のWHの残骸が天を衝く廃工場。
旧エルコ市からほど近いそこは、無理矢理復旧された製造設備がある。
ベーカリーアネモネ・WHパーツ製造部門である。
「…アフラムインダストリとドゥロール社から引き上げた資材を使う。」
『設計ライブラリ照会―跳躍戦用脚部。企画倒ればかりだな、貴様のところは』
「お前のところに隠しておきたい技術でもあったんだろう。…これ、プロダクト・コードもついていないのか」
『貴様が名前を決めてよいということさ。どうする？メッセージカードは付けられないぞ。』

「…ドゥロール。ドゥロールUだ。」
雀より鶯へ。
新たな世界の空を跳ぶために、そう名付けられた。

機動販売パン屋【ベーカリー・アネモネ】で利用できるスタンプカード発行所です
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このユニオンは平たい店長やけもののフレンドや元特殊部隊やあらぶじん、あいるらんどじんがパンを焼いて　売っています


※ユニオン活動的には「制御*5」「素材+1」で固定しております（恐らく最終回まで制御*5）
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店長：Eno.77
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