ENo.0509　闇

【業務報告】
[状況]
　一見、戦果向上……に、見えるが……総合では前回より低下。
　結局のところ、改善には繋がっていない……霧は晴れたというのに、暗雲晴れぬままとは、何とも因果な。
　僚機一同……本戦より、主搭乗者と副搭乗者の二人体制での出撃を開始。戦績は言わずもがな、上々。
　縁者復帰以降、主搭乗者の精神面も一見は安定して見える……
　……世界情勢。
　全体で見れば……いずれ、打開されるであろうとの線が濃厚だが、個人単位では如何とも言い難い。
　状況を継続。

[配属先/指示内容]
　第13ブロック・夜明けの前、晴れた暁の空に[目標物破壊]
　……暁光を目指して。
　地上戦力24、航空戦力9。電子・火炎・物理多数。粒子が単騎。

[身体状況]
　依然、注意状態。状況停滞……見方によっては、若干の悪化。
　基礎体温は多少の高温にて安定の兆し。代謝維持消耗率上昇……此れは別件による一時的影響と思われる。
　不明な触覚信号持続……拒絶反応抑制薬が効果上限に達していると推測。投与量を増加前に戻し、感覚鈍化を試す。
　睡眠質……依然、悪化。不眠対策の強制意識遮断を適時利用。
　足部縫合部損傷、頸部・回腸部付近損傷への処置間に合わず……鎮痛剤対処継続中。
　左頸部、アンプル利用回数増加による筋繊維損傷進行。
　消化器系機能低下も若干の進行傾向……
　他、左側生体眼球の視界に違和感。快晴からの自然光量増加による疲弊か。
　引き続き、止血剤と鎮痛剤、整腸剤、融合部一時操作で臨時対処。

[機体状況]
　良好。
　軽多脚仕様続行。霊送箱を飛行ユニットに換装。パイル1本を狙撃砲に。操縦棺換装。
　霊障のみ相応。粒子防御が理想の基準に満たず。状況としては非常に厳しい。

[備考]
　間に合わせの夜会巻。
　……間に合わせ監視強化以降、侵入者の痕跡無し。
　ヒト科適応臓器培養に伴う、動力他の供給に代謝消耗……本来の休息時に培養装置を稼働させれば、負担も当然か。
　接続の必要上、余り移動できず。細事への手付かずが続く……

[えびっこのこと]
　どうにも、落ち着きがない。霧が晴れたせいだろうか。
　妙に寄ってくるので、水の催促をしているのかと思い、バケツの水を足したり、床に水溜まりを作ってやるも、じっとせず直ぐに寄ってくる。
　構って欲しいのかと思い手を出すと、矢鱈に挟まれる。かといって、機嫌が悪い訳でもなし、よく判らん。