ENo.0517　スタニスワフ・クビツァ

「はっはっは！メルサリアも、相当な奴だな」
「この状況で【性能評価試験】たあ、恐れ入る」
『不満ですか？』
「いいや最高だ、最高に……いかれてる」
「あいつも、誰かに認めてもらいたかったんだな」

『……この前の、返事をしても良いですか？』
「この前ってなんだよ」
『二週間前の、クビツァさんの自己紹介です』
「ああ、覚えてねえ」
『肯定されたい、ということでしたが』
「覚えてねえ覚えてねえ」
『戦いなんてなくとも、私はクビツァさんを認めていますし』
「忘れた忘れた」
『クビツァさんが本当に認めてもらいたいのは、クビツァさん自身、だったのではないでしょうか？』
『もしかしたら、メルサリアさんも』
「……」
『だから、今も、そして先も……戦いましょう』
『自分自身を、肯定できるように』
「……」

「ああ、俺に言わせてみれば、ハンナ、お前もそう変わらないだろうがな」
「【死んだ】から、自分自身を認めなくて済んだだけ、名前を捨てられただけマシなんだ」
「だから、お前は名乗ることもできないまんまだ」
『私は……』

「ああ、皆まで言うな。戦おうじゃねえか。」
「すべて片付けて、その後はどうする？」
『その後、ですか』
「ピザ屋、なんていい再就職先じゃねえか？」
「……言うだけ俺も、焼きが回ったもんだな」
『ふふふ』


「とにもかくにも、だ」
「今この場が、俺達が活きる場だ」
『そればかりは、同意せざるをえないですね』

ブックメーカーするゴリラです