ENo.0382　トレーニィ

だから言ったじゃないですか。

無惨にもボロボロになった機体を前に、その言葉を飲み込んだ。
言っても無駄だとわかっているし、
どちらかと言うとこの言葉は、
安堵と八つ当たりから生まれたものに近かったからだ。

彼の操縦士としての腕を信用していなかったわけではなく、
レニの技師としての自信が無かっただけ。

だからこの言葉をダイナさんにぶつけるのは、お門違いというやつなのだ。

全く凹まないといえば嘘になるけれど、
だからと言ってうじうじしていられる時間もない。
機体の破損部と記録装置のデータを解析して、
実際にこの目で見た情報も元に、新たな最適解を求める。
試行錯誤は慣れっこだ。

と言うわけで新たに用意したパーツをダイナさんにプレゼントした所、
なんとかお褒めの言葉を頂けた。
使えるか、使えないか。
ダイナさんはレニのご機嫌を伺わず、正直にお話ししてくれる。
素直に嬉しいし、ダイナさんの良い所大好きな所の１つだ。
恐らく命中率が渋い点には気付いていると思うので、
次の探索までに補填する術を探さなくてはと思う。
霧と電磁波に包まれた戦場で、憂いなく力をふるえるように。

ダイナさんからとってもとっても素敵なプレゼントを頂けたので、
これはもう本当に、頑張らないといけない。
そう、ダイナさんが、プレゼントを！ レニに！
パートナーとして！ 凄い、デレ！
お祝いにケーキが食べたいです！ ディヴィン君にお願いしてみましょう！

（一筆書きのうさぎが、タブレットをくるくると。）

色々なものが、あちこちばらばら転がっている。
どこに何があるか、部屋の主は把握している、らしい。