ENo.0026　シャンク＝タイラー

「それで結局、初仕事は何事もなく成功ってわけですかい」
「ああ。さんざ脅しやがったが、ふたを開けてみりゃとんだ肩透かしだったね」

残像領域のとあるハンバーグ専門店で、彼は思うがまま飯と酒を食らっていた。
久々の当たりに、全神経を注いで堪能していた。

「かーっ。大将、酒もう一本追加だ。ポテトもな」
「あいよ。それで、初めてハイドラで戦った気分はいかがでしたかな？」

彼は一気に酒をあおった。

「どうもねえな。自分の感覚で操作するっても、まあ慣れでどうとでもなる話……」

彼はそう言いかけて思い当たった。

「だが、戦闘中ハイドラが妙ちきりんな力で攻撃しやがったのは流石にビビったな。噂にゃ聞いていたけどよ」
「ソイツはここ残像領域じゃ珍しくもない話、日常茶飯事ですな。戦場で死んだはずのハイドラ乗りに会ったって話も山ほどありますぜ」

彼は肩をすくめた。
「いわゆるオカルトって奴か？俺にゃまるきり縁のない話だと思ってたが……、どうもそうはいかないらしい」

それを言い出したら、まずここに迷いこんだのがまずオカルトだったかね。