第3週目 『偽りの幸運』エイビィの一週間
◆日記
『ライズラック』は俯せのまま、『キャットフィッシュ』の腹から中空に放り出された。
深い霧の中、背中で白い『翅』が展開し、『ライズラック』は地面に叩きつけられる数秒前にホバリングすると、機体の姿勢を安定させる。
エイビィは操縦桿を固定したまま、コンパネに指を走らせ、レーダーと視覚情報をいくつかの画面に分けて映し出した。『キャットフィッシュ』の中で見たのと同じように、『ライズラック』の外部カメラも霧に鎖されてはいるけれど、降下してきたおかげで手近にあるものはよく見える。同じように出撃してきたウォーハイドラたちの機影であるとか、気の早い放火の光であるとかだ。大型の多脚だろうか、アスファルトを踏み鳴らす地響きのような足音も、既に耳に届いている。
残像領域の霧はいつも重く、深い。伸ばした腕の先さえ見えない霧の中においては、常に少しでも多く、早く状況を把握することが求められる。
エイビィは唇を舐めて、『ライズラック』を旋回させながら、外部カメラの様子を目で追った。視覚情報を表示するパネルは一つではないが、それでも死角ができることは避けられず、それを頭に入れておく必要がある。
ウォーハイドラの中には、この死角をコンピュータ・グラフィクスや数秒前の動画を用いて埋めるモニターを採用している機体もあったが、エイビィは気休めに過ぎないと考えていたし、何よりそうしたタイプの全天周囲モニタの、霧の中に操縦棺だけで放り出されるような感覚に馴染めなかった。
『ライズラック』は『翅』を蠢かせながら、低空を緩やかに移動する。
ひびの入ったアスファルトの間から、不自然な色をした雑草が生え、枯れている。その上には元が何だったのかも分からないスクラップが転がり、それらをすべて霧が覆い隠す。
レーダー上の反応とカメラの情報を頭の中で結びつけながら、エイビィは『ライズラック』を傾くビルの廃墟の影へ移動させた。ヘッドフォンから聞こえてくる音よりも、自分の呼気の音の方が大きい。
操縦桿を引く。
『ライズラック』の動きは疾い。行く、と決めればその地点まで、ほとんど一足飛びに移動する。
加速に伴ってかかるGと浮遊感に息を詰めながら、エイビィはめまぐるしく表示の変わる画面上の情報に目を走らせた。
ヘッドフォンから聞こえてくる音は、なお多彩さを増している。それらを、目で見たものと照らし合わせながら、レーダー上の味方機らしき反応にはマークを加えて、頭の中にマップを構築していく。ウォーハイドラの脚が瓦礫を砕きながら進む音、履帯の回る音、金属のぶつかる音――
そうした音の中に時折、妙にノイズがかり、軋むような音の混ざることがある。
古びて傷つき、音飛びのあるレコードを再生したようなその音を、ゴーストと呼ぶものがあった。幽霊の出す音だ。
残像領域において、どこに所属しているのかも分からない全くの不明機と交戦した経験のあるハイドラライダーは少なくない。
激戦の末に操縦棺を暴いてみれば、その中身は全くからっぽで、シートの上に夥しい血の跡だけが残っている。何度確かめてみても、ドローンでも遠隔操縦でもない。
そういったウォーハイドラは、確実に実態を伴っているのにも関わらず、ノイズがかった音を出すという。
噂だ。
噂だが、今日も残像領域の戦場では、霧に紛れて乱れた音が聞こえてくる。
(――中型、通常の二足? 距離は遠いけど)
レーダーの索敵範囲ぎりぎりを漂うように動く光点に、エイビィは首を傾げながら識別マークを付け加えた。
「『ライズラック』は予定のポイントに到着したわ。これから戦闘行動を開始する」
通信を一つ入れて、エイビィは深呼吸する。
ウォーハイドラ、と一口に言っても、その名が指すのはHCSによって構成された機械、という程度に過ぎない。
ハイドラコントロールシステム。九つのソケットを持つ操縦棺に、パーツを接続することで駆動するハイドラは、まさに現代のヒュドラと言えるだろう。HCSの中心となる操縦棺でさえ、機体の役割や目的によって、その形態は大きく異なっている。
互いに似ても似つかない、同じハイドラの名を冠する鉄の怪物どもが、残像領域には溢れている。『ライズラック』もその一体だ。
『ライズラック』の背中の『翅』、四枚の飛行ユニットは、飛行するというよりは跳躍を補助するというべき設計になっており、機体の姿勢制御にも大きな役割を担う。
高度からの降下の際には『翅』を大きく広げ、前方に向かって跳ぶ際には後ろへ向かって蕾のように畳まれる。その動きは、蜂というには素早く直線的になる。
「……エンゲージ!」
霧にけぶる視界の向こう、戦闘ヘリの姿を捉えるろ、エイビィは高らかに声を上げた。向こうも『ライズラック』のことを認識しているのだろう、旋回しながら、機銃の砲口をこちらへ差し向ける。
『ライズラック』は減速しないまま『翅』を動かし、大きく右へ飛んだ。腰に接続された速射砲を構えつつ、ヘリへ向かって大回りに移動しながら距離を詰める。『ライズラック』の駆け抜けた後を銃弾が次々と抉り、霧の中に火花を散らした。
「いいわね、いいカモだわ」
口の中で呟きながら、エイビィは銃口をヘリへと向けた。霧はあるが、照準を合わせるのに障りがあるほどではない。
瓦礫の間を駆け抜けながら、『ライズラック』はヘリに向けて速射砲を――
横合いから放たれた銃弾によってヘリが撃ち抜かれたのは、エイビィが操縦桿のボタンを押そうとした、まさにその時だった。
「――なに!?」
間髪入れず、『ライズラック』をかすめるようにして銃弾が通り過ぎていく。味方ではない。
エイビィは舌打ちして、速射砲を収め、『翅』を広げさせた。慌ててレーダーの表示を見て、渋面を作る。
先程までかなり遠くにいた光点――ゴーストの識別を付けたそれが、いつの間にか距離を詰めていた。ヘッドフォンから、ノイズがかった音が耳に届く。
「――」
エイビィが息を呑んだのは、先程よりも近くなったその音に、聞き覚えがあったからだ。
歩き方に癖があるように、喋り方に癖があるように、ハイドラの操縦にもまた、搭乗している人間の癖がある。あるいは、機械を通してさらに増幅されて表出する。霧の中、音を頼りとするハイドラライダーにとって、それは相手を判別する大きな手がかりとなる。
エイビィの脳裏に、ひとりの男の顔が思い出された。死んだはず、と思うことがナンセンスだ。残像領域に鳴り響くノイズは、まさに死人であることの証明なのだから。
知り合い、とは言えない。言葉を交わしたことはなく、ただ戦場を共にしたことがあるだけだ。
「……何が未練で現れたんだか」
呟きは疑問ではなく、悪態だった。ゴーストは、明確に『ライズラック』を追ってきている。
(近い)
残像領域を覆う霧はただの霧ではないが、それでも音の伝わり方は通常の霧と同じだ。遠くの音はなお遠く聞こえ、近くの音はなお近く聞こえる。エイビィはほとんど耳元で聞こえる軋むような音に眉をしかめた。
霧の向こう側に相手の姿見え始めている。スクラップよりはマシ、というような外観だ。頭はほとんど潰れ、機体は錆付いていて、弾痕の周りは特に腐食が進んでいる。
動いているのが不思議、というより、動かせたとしても操縦棺から外の様子は把握できないのでは、というような状態だ。
その操縦棺も、ヒートソードか何かによって大きく抉れ、中に人がいるとは思えなかった。
だが、ボロボロの腕と癒着したライフルの銃口は、間違いなく『ライズラック』を捉えようとしている。
(幽霊はセンサーに頼らない?)
『翅』を広げる。ゴーストの体高は『ライズラック』の3倍程度。機体のサイズ差がそのまま戦力差になることはないが、それも戦い方次第だ。頭を押さえられるつもりはなかった。
『ライズラック』が地を蹴るのに合わせて、ゴーストの銃口が跳ね上がった。エイビィは息を詰めて『翅』を動かし、まっすぐに迫ってきた火線を身を捩るようにして避ける。そのまま、ビルの影へと飛び込んだ。正確な射撃。
(霧が動かしているのなら、センサーなんて関係ないか)
独りごち、エイビィは汗を拭った。恐らく潰せない相手ではないが、作戦目的とは全く関係がない機体だ。関わるだけ無駄である。
(燃料も勿体ないしね……)
この場所自体、主戦場からやや離れている。作戦に参加する意志がないと見られるのは好ましくなかった。
続く射撃はない。ゴーストも残弾を気にするのかも知れない。
何にせよ、今のうちに逃げるのがいいだろう。向こうの機体は、おそらく飛行が可能なタイプではないのだし。
《……》
ノイズの中に人間の息遣いが混じったのは、エイビィが腹を決めたその時だった。
レコードを再生した時のような、ぷつぷつと途切れる声。
ゴーストだ。
《……………は……だ》
エイビィには、ささやくようなその声が死んだ男のものかどうか思い出すことはできなかった。
だが、間違いなく何かを言おうとしている。それも、こちらの知っている言葉で。
思わず手を止めて、エイビィはヘッドフォンに手を当てる。
聞こえにくいのは、ノイズがかっているからだけではなかった。声に混じって、不自然に息の漏れる音がする。喉に穴の開いた人間の出す声だ。
《………えは、……だはずだ……おまえ……》
声は、どうやら同じ言葉を繰り返していた。エイビィは訝しげに眉を寄せ、コンパネを操作し、音量を上げる。そして。
《…………お前は、死んだはずだ》
「アハッ―――」
相手の言わんとしていることを察した時、エイビィは思わず失笑した。
深い霧の中、背中で白い『翅』が展開し、『ライズラック』は地面に叩きつけられる数秒前にホバリングすると、機体の姿勢を安定させる。
エイビィは操縦桿を固定したまま、コンパネに指を走らせ、レーダーと視覚情報をいくつかの画面に分けて映し出した。『キャットフィッシュ』の中で見たのと同じように、『ライズラック』の外部カメラも霧に鎖されてはいるけれど、降下してきたおかげで手近にあるものはよく見える。同じように出撃してきたウォーハイドラたちの機影であるとか、気の早い放火の光であるとかだ。大型の多脚だろうか、アスファルトを踏み鳴らす地響きのような足音も、既に耳に届いている。
残像領域の霧はいつも重く、深い。伸ばした腕の先さえ見えない霧の中においては、常に少しでも多く、早く状況を把握することが求められる。
エイビィは唇を舐めて、『ライズラック』を旋回させながら、外部カメラの様子を目で追った。視覚情報を表示するパネルは一つではないが、それでも死角ができることは避けられず、それを頭に入れておく必要がある。
ウォーハイドラの中には、この死角をコンピュータ・グラフィクスや数秒前の動画を用いて埋めるモニターを採用している機体もあったが、エイビィは気休めに過ぎないと考えていたし、何よりそうしたタイプの全天周囲モニタの、霧の中に操縦棺だけで放り出されるような感覚に馴染めなかった。
『ライズラック』は『翅』を蠢かせながら、低空を緩やかに移動する。
ひびの入ったアスファルトの間から、不自然な色をした雑草が生え、枯れている。その上には元が何だったのかも分からないスクラップが転がり、それらをすべて霧が覆い隠す。
レーダー上の反応とカメラの情報を頭の中で結びつけながら、エイビィは『ライズラック』を傾くビルの廃墟の影へ移動させた。ヘッドフォンから聞こえてくる音よりも、自分の呼気の音の方が大きい。
操縦桿を引く。
『ライズラック』の動きは疾い。行く、と決めればその地点まで、ほとんど一足飛びに移動する。
加速に伴ってかかるGと浮遊感に息を詰めながら、エイビィはめまぐるしく表示の変わる画面上の情報に目を走らせた。
ヘッドフォンから聞こえてくる音は、なお多彩さを増している。それらを、目で見たものと照らし合わせながら、レーダー上の味方機らしき反応にはマークを加えて、頭の中にマップを構築していく。ウォーハイドラの脚が瓦礫を砕きながら進む音、履帯の回る音、金属のぶつかる音――
そうした音の中に時折、妙にノイズがかり、軋むような音の混ざることがある。
古びて傷つき、音飛びのあるレコードを再生したようなその音を、ゴーストと呼ぶものがあった。幽霊の出す音だ。
残像領域において、どこに所属しているのかも分からない全くの不明機と交戦した経験のあるハイドラライダーは少なくない。
激戦の末に操縦棺を暴いてみれば、その中身は全くからっぽで、シートの上に夥しい血の跡だけが残っている。何度確かめてみても、ドローンでも遠隔操縦でもない。
そういったウォーハイドラは、確実に実態を伴っているのにも関わらず、ノイズがかった音を出すという。
噂だ。
噂だが、今日も残像領域の戦場では、霧に紛れて乱れた音が聞こえてくる。
(――中型、通常の二足? 距離は遠いけど)
レーダーの索敵範囲ぎりぎりを漂うように動く光点に、エイビィは首を傾げながら識別マークを付け加えた。
「『ライズラック』は予定のポイントに到着したわ。これから戦闘行動を開始する」
通信を一つ入れて、エイビィは深呼吸する。
ウォーハイドラ、と一口に言っても、その名が指すのはHCSによって構成された機械、という程度に過ぎない。
ハイドラコントロールシステム。九つのソケットを持つ操縦棺に、パーツを接続することで駆動するハイドラは、まさに現代のヒュドラと言えるだろう。HCSの中心となる操縦棺でさえ、機体の役割や目的によって、その形態は大きく異なっている。
互いに似ても似つかない、同じハイドラの名を冠する鉄の怪物どもが、残像領域には溢れている。『ライズラック』もその一体だ。
『ライズラック』の背中の『翅』、四枚の飛行ユニットは、飛行するというよりは跳躍を補助するというべき設計になっており、機体の姿勢制御にも大きな役割を担う。
高度からの降下の際には『翅』を大きく広げ、前方に向かって跳ぶ際には後ろへ向かって蕾のように畳まれる。その動きは、蜂というには素早く直線的になる。
「……エンゲージ!」
霧にけぶる視界の向こう、戦闘ヘリの姿を捉えるろ、エイビィは高らかに声を上げた。向こうも『ライズラック』のことを認識しているのだろう、旋回しながら、機銃の砲口をこちらへ差し向ける。
『ライズラック』は減速しないまま『翅』を動かし、大きく右へ飛んだ。腰に接続された速射砲を構えつつ、ヘリへ向かって大回りに移動しながら距離を詰める。『ライズラック』の駆け抜けた後を銃弾が次々と抉り、霧の中に火花を散らした。
「いいわね、いいカモだわ」
口の中で呟きながら、エイビィは銃口をヘリへと向けた。霧はあるが、照準を合わせるのに障りがあるほどではない。
瓦礫の間を駆け抜けながら、『ライズラック』はヘリに向けて速射砲を――
横合いから放たれた銃弾によってヘリが撃ち抜かれたのは、エイビィが操縦桿のボタンを押そうとした、まさにその時だった。
「――なに!?」
間髪入れず、『ライズラック』をかすめるようにして銃弾が通り過ぎていく。味方ではない。
エイビィは舌打ちして、速射砲を収め、『翅』を広げさせた。慌ててレーダーの表示を見て、渋面を作る。
先程までかなり遠くにいた光点――ゴーストの識別を付けたそれが、いつの間にか距離を詰めていた。ヘッドフォンから、ノイズがかった音が耳に届く。
「――」
エイビィが息を呑んだのは、先程よりも近くなったその音に、聞き覚えがあったからだ。
歩き方に癖があるように、喋り方に癖があるように、ハイドラの操縦にもまた、搭乗している人間の癖がある。あるいは、機械を通してさらに増幅されて表出する。霧の中、音を頼りとするハイドラライダーにとって、それは相手を判別する大きな手がかりとなる。
エイビィの脳裏に、ひとりの男の顔が思い出された。死んだはず、と思うことがナンセンスだ。残像領域に鳴り響くノイズは、まさに死人であることの証明なのだから。
知り合い、とは言えない。言葉を交わしたことはなく、ただ戦場を共にしたことがあるだけだ。
「……何が未練で現れたんだか」
呟きは疑問ではなく、悪態だった。ゴーストは、明確に『ライズラック』を追ってきている。
(近い)
残像領域を覆う霧はただの霧ではないが、それでも音の伝わり方は通常の霧と同じだ。遠くの音はなお遠く聞こえ、近くの音はなお近く聞こえる。エイビィはほとんど耳元で聞こえる軋むような音に眉をしかめた。
霧の向こう側に相手の姿見え始めている。スクラップよりはマシ、というような外観だ。頭はほとんど潰れ、機体は錆付いていて、弾痕の周りは特に腐食が進んでいる。
動いているのが不思議、というより、動かせたとしても操縦棺から外の様子は把握できないのでは、というような状態だ。
その操縦棺も、ヒートソードか何かによって大きく抉れ、中に人がいるとは思えなかった。
だが、ボロボロの腕と癒着したライフルの銃口は、間違いなく『ライズラック』を捉えようとしている。
(幽霊はセンサーに頼らない?)
『翅』を広げる。ゴーストの体高は『ライズラック』の3倍程度。機体のサイズ差がそのまま戦力差になることはないが、それも戦い方次第だ。頭を押さえられるつもりはなかった。
『ライズラック』が地を蹴るのに合わせて、ゴーストの銃口が跳ね上がった。エイビィは息を詰めて『翅』を動かし、まっすぐに迫ってきた火線を身を捩るようにして避ける。そのまま、ビルの影へと飛び込んだ。正確な射撃。
(霧が動かしているのなら、センサーなんて関係ないか)
独りごち、エイビィは汗を拭った。恐らく潰せない相手ではないが、作戦目的とは全く関係がない機体だ。関わるだけ無駄である。
(燃料も勿体ないしね……)
この場所自体、主戦場からやや離れている。作戦に参加する意志がないと見られるのは好ましくなかった。
続く射撃はない。ゴーストも残弾を気にするのかも知れない。
何にせよ、今のうちに逃げるのがいいだろう。向こうの機体は、おそらく飛行が可能なタイプではないのだし。
《……》
ノイズの中に人間の息遣いが混じったのは、エイビィが腹を決めたその時だった。
レコードを再生した時のような、ぷつぷつと途切れる声。
ゴーストだ。
《……………は……だ》
エイビィには、ささやくようなその声が死んだ男のものかどうか思い出すことはできなかった。
だが、間違いなく何かを言おうとしている。それも、こちらの知っている言葉で。
思わず手を止めて、エイビィはヘッドフォンに手を当てる。
聞こえにくいのは、ノイズがかっているからだけではなかった。声に混じって、不自然に息の漏れる音がする。喉に穴の開いた人間の出す声だ。
《………えは、……だはずだ……おまえ……》
声は、どうやら同じ言葉を繰り返していた。エイビィは訝しげに眉を寄せ、コンパネを操作し、音量を上げる。そして。
《…………お前は、死んだはずだ》
「アハッ―――」
相手の言わんとしていることを察した時、エイビィは思わず失笑した。
NEWS
……では、現在の状況を詳しく見ていきましょう西方辺境には≪月の谷≫があり、そこへ続くルートにはやはり無数の遺跡要塞が存在していました
そして手前からリソスフェア、バイオスフェア、ストラトスフェア、イオノスフェアの4つの要塞が現存します
辺境軍閥は≪月の谷≫に眠る遺産技術を発掘するために、禁を破り西方辺境へ秘密裏に進出しました
そしてこの4つの遺跡要塞の再起動に成功します
ようやく事態に気付いた企業連盟はハイドラ大隊を招集し、現在に至ります。そして……
◆訓練
反応の訓練をしました反応が13上昇した
反応の訓練をしました経験値が足りない
反応の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
格闘の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
◆送金
◆破棄
エイビィは簡易操縦棺を破棄した!!
エイビィは簡易エンジンを破棄した!!
◆購入
エイビィは軽逆関節『バウンシングテイル』を939cで購入した!!
エイビィはBenediktを764cで購入した!!
エイビィはプロトレーヴェタイプヘッドを939cで購入した!!
◆作製
精度強化!
照準装置20と保証書21を素材にして戦闘用鉄杭『ウッドペッカー』を作製した!!
◆戦闘システム決定
アサルト に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にデトリタスポッドを装備した
脚部2に軽逆関節『バウンシングテイル』を装備した
スロット3にプロトレーヴェタイプヘッドを装備した
スロット4にBenediktを装備した
スロット5に簡易速射砲を装備した
スロット6に戦闘用鉄杭『ウッドペッカー』を装備した
スロット7に粒子エンジン『ウェルク』を装備した
スロット8に簡易レーダーを装備した
スロット9に飛行用パーツ 『スパロウ』を装備した
スロット10に試作型エネルギー変換器『AR-001』を装備した
スロット11に試作型高機動用粒子ブレードを装備した
◆パーツ改名
◆パーツアイコン変更
◆僚機設定
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
ユニオン活動
MP社関連企業所属の活動記録
マヴロス・フィニクス(MAVROS PHOENIX)社は残像領域に存在する複合企業(コングロマリット)
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
買収・分裂・独立、政争を繰り返した結果、関連会社同士で企業間戦争を行うこともあるほど混沌とした様相を呈す。
そのエンブレムは『黒い不死鳥』であるが、マヴロス・フィニクスがすべて灰になることはない。
マヴロス・フィニクスには頭はない。ハイドラが操縦棺というコアを有するのとは対照的に、どこを潰されても、どこかが生きていれば、黒い不死鳥は生き続ける。
このユニオンは、MP社に関連するハイドラライダーが加入する互助組織の一つ。
あなたは『本社』と呼ばれる複数の部門のどれかに囲われているかも知れない。
あるいは、小さな関連企業の大事な奥の手かも知れない。
いずれにせよあなたは企業の利益のために戦うことを命じられている。あなたの肚の裡は、誰にもわからないけれど。
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
格闘の訓練をしました格闘が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘において機動力を3%強化した
メッセージ
ENo.2からのメッセージ>>
ENo.101からのメッセージ>>
「あ、どうも……」
声をかけられるとは思っていなかったのか、眼鏡をかけた女は少し慌てたように返事をしたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「ええ、貴方の言う通りです。敵対組織との交戦かと思いきや、真っ先に与えられた任務が……まあ、その、興行っぽいもので唖然としてしまいまして」
「それに個人的な話ですが、こういう興行試合――もちろん合法ですよ? その観戦に何回も足を運び、好きな選手もいた身として、ああいった扱いを受けるのはちょっと……」
「ふふ、その気持ちは言われなくとも同じですよ。我々の多くは生きるために必死なんです、ここで命をぞんざいに扱われてたまるかってことですよ、ええ!」
ENo.235からのメッセージ>>
〔マルス。前方2m先。
子供のようですね。こちらを見ていますがお知り合いですか〕
「ん~ん、知らなーい」
〔スキャン完了。特に危険はないと判断します。
どうし――勝手に行動しないでくださいマルス〕
モートの言葉よりも早く、こちらを気にする少女に、少し早歩きで近寄っていく。
少し遅れて、モートも隣についてきた。
「なんか用?」
「マルス。失礼ですよ」
「……ナニカヨウデスカ」
ENo.255からのメッセージ>>
ENo.276からのメッセージ>>
「なかなか楽しいことをいう人だね、アンタ。
いやなに、ただ単に広域で受信できるメッセージを聞いて面白そうだと思っただけだ」
「いつかは同じブロックで当たってみたいもんだ、
その時はあんたの戦いっぷりじっくり見てみたい、いやなに、あんたみたいな人がどう戦うのか興味あってね」
「一応、名乗っておくよ。
私はローデット・ダイス、一緒に戦う時があったら頼む」
ENo.286からのメッセージ>>
ENo.340からのメッセージ>>
ENo.348からのメッセージ>>
シリーマウスは眉間にしわを寄せ、思い切り睨み付けた。
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.256 >>Eno.4 >>Eno.233 >>Eno.206
キリト 「いや、機嫌は良い。大丈夫だ」 |
キリト 「ハイドラの大きさはそれぞれだ。でかいハイドラが強いという道理もない」 |
キリト 「…なるべく、あんたと戦場で会いたくないな。敵同士なら特に、だ」 |
「あ、どうも……」
声をかけられるとは思っていなかったのか、眼鏡をかけた女は少し慌てたように返事をしたが、すぐに冷静さを取り戻した。
「ええ、貴方の言う通りです。敵対組織との交戦かと思いきや、真っ先に与えられた任務が……まあ、その、興行っぽいもので唖然としてしまいまして」
「それに個人的な話ですが、こういう興行試合――もちろん合法ですよ? その観戦に何回も足を運び、好きな選手もいた身として、ああいった扱いを受けるのはちょっと……」
「ふふ、その気持ちは言われなくとも同じですよ。我々の多くは生きるために必死なんです、ここで命をぞんざいに扱われてたまるかってことですよ、ええ!」
ENo.235からのメッセージ>>
〔マルス。前方2m先。
子供のようですね。こちらを見ていますがお知り合いですか〕
「ん~ん、知らなーい」
〔スキャン完了。特に危険はないと判断します。
どうし――勝手に行動しないでくださいマルス〕
モートの言葉よりも早く、こちらを気にする少女に、少し早歩きで近寄っていく。
少し遅れて、モートも隣についてきた。
「なんか用?」
「マルス。失礼ですよ」
「……ナニカヨウデスカ」
ENo.255からのメッセージ>>
マヒロ 「……仕事道具だ。整備くらいはするだろう。 あんたは違うのか」 |
マヒロ 「間違えても踏み潰さねぇよ。 ……あんたが味方ならな」 |
「なかなか楽しいことをいう人だね、アンタ。
いやなに、ただ単に広域で受信できるメッセージを聞いて面白そうだと思っただけだ」
「いつかは同じブロックで当たってみたいもんだ、
その時はあんたの戦いっぷりじっくり見てみたい、いやなに、あんたみたいな人がどう戦うのか興味あってね」
「一応、名乗っておくよ。
私はローデット・ダイス、一緒に戦う時があったら頼む」
ENo.286からのメッセージ>>
エマ 「コンチハ。お嬢さんじゃないゾ。エマだ」 |
エマ 「同じタイプの機体? そうか、オマエも狩人(ハイドラライダー)カ。 ライズラック……運が上向くように カ? いい名前だナ」 |
エマ 「私のウォーハイドラにも何か名前をつけてみるかナ……。 察しの通り、拾い物を整備したものダ」 |
パンプキンヘッド 「あらあら。これはこれは。どうもどうも。これは趣味でしてー。いや天から降ってきたかぼちゃを偶然被ってしまっただったかな? 嘘ですけど」 |
パンプキンヘッド 「あらら。そんなお話が。いやですね、自分は誠実な技術屋でしてね。遊び人だなんて、生き抜くのに必死なんですねこれがー」 |
パンプキンヘッド 「そんな愉快な物じゃないですよ。性質の悪いポンコツがいいところでして。まー、自分の手足として、自分を生き抜かせてくれれば云う事はないんですけどねー」 |
パンプキンヘッド 「そうですねー。お互いに。次見かけた時はぜひ自分を守ってくだされば自分としても大変うれしいところです」 |
シリーマウス 「はぁ?」 |
シリーマウス 「突然そんなこと言ってくるってあんたなんなの? こちとら装備盗まれるわ間に合わせの機体じゃ落されるわでもうキレそーなわけ。 バックが嫌なら真正面から撃ってやろうか?」 |
シリーマウス 「【攻撃失敗時】全然外してやんの、ヘボ!」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.2 >>Eno.256 >>Eno.4 >>Eno.233 >>Eno.206
◆戦闘結果
戦闘報酬
戦闘収入 1150
攻撃戦果補正5.99%
支援戦果補正4.94%
防衛戦果補正4.86%
撃墜数補正 0.1%
販売数補正 0.4%
合計現金収入1348
整備費 -540
ユニオン費 -98
パーツ販売数 4個
◆経験値が20増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
攻撃戦果補正5.99%
支援戦果補正4.94%
防衛戦果補正4.86%
撃墜数補正 0.1%
販売数補正 0.4%
合計現金収入1348
整備費 -540
ユニオン費 -98
パーツ販売数 4個
◆経験値が20増加しました……
◆素材が組織から支給されました……
エイビィはアンテナ22を入手した!
エイビィは軽量化プラン22を入手した!
明日の戦場
第3ブロック
性能評価試験
新型量産兵器の性能を見たい。指定された部隊に襲撃をかけてくれ。向こうのテストパイロットの心配はするな……死亡保険はかけてある
来週の霧濃度:63%
来週の電磁波:3%
● |
シャンク=タイラー |
ススハラ・マヤゥ |
アンナ・T・パラボ |
ウィルマ・ウォーカー |
『偽りの幸運』エイビィ |
DAWN |
ノーリターンのエリオット |
ラグウェルフ |
カラト |
RB |
ヴィエ |
tears drop "heta" |
バイオ兵器・変異体13号 |
メーデ・マイン |
NANAKA14-σ |
ドーリス |
試作操縦用人工調整体『セイス・アリティズ』 |
アイリス=フォン=フロアライナ |
ユリア・クールハート |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
自走砲『イーグル』[粒子] |
キャラデータ
名前
『偽りの幸運』エイビィ
愛称
エイビィ
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プロフィール
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エイビィ 残像領域に存在する複合企業の中のひとつに所属するハイドラライダー。企業の利益を優先し、時に自分の命を棄てるような戦術さえ取ることもある、戦場の犬。 その名は、単純にアルファベットのAとBを意味する。 ハル エイビィがメカニックとして連れている少女。人間嫌い。 『キャットフィッシュ』 エイビィの母艦。居住性と安定性を重視した小型艦であり、通常自動操縦で航行する。 『ライズラック』 エイビィの乗機。抵抗の少ない流線型のフォルム。その顔はスズメバチを思わせる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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1 | 軽逆関節A | 軽逆関節『バウンシングテイル』 [20/旋回/重量軽減]《装備:2》 機動[606] 跳躍[235] AP[377] 旋回速度[963] 防御属性[粒子] 防御値[193] 貯水量[94] 積載量[2100] 消費EN[116] 金額[939] 重量[780] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
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2 | 軽逆関節A | 簡易軽逆関節A [20/---/---] 機動[556] 跳躍[219] AP[351] 旋回速度[877] 防御属性[粒子] 防御値[180] 貯水量[87] 積載量[2100] 消費EN[108] 金額[360] 重量[800] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
3 | 頭部A | 簡易頭部 [20/---/---] | ▼詳細 |
4 | 腕部A | 簡易腕部 [20/---/---] | ▼詳細 |
5 | 速射砲A | 簡易速射砲 [20/---/---]《装備:5》 火力[219] 発射数[4] 防御属性[電子] 防御値[180] 精度[175] 貯水量[8] 弾数[15] 武器属性[速射] 異常追加[35] 消費EN[4] 金額[360] 弾薬費[50] 重量[150] [物理射撃] *作者* |
▼詳細 |
6 | 粒子ブレードA | 簡易粒子ブレード [20/---/---] 火力[1053] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[540] 精度[87] 貯水量[175] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[360] 金額[360] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
7 | 腕部B | Benedikt [20/重量軽減/精度]《装備:4》 | ▼詳細 |
8 | レーダーA | 簡易レーダー [20/---/---]《装備:8》 | ▼詳細 |
9 | 飛行ユニットA | 飛行用パーツ 『スパロウ』 [20/旋回/---]《装備:9》 | ▼詳細 |
10 | エンジンB | 粒子エンジン『ウェルク』 [20/耐粒/耐粒]《装備:7》 | ▼詳細 |
11 | パイルA | 戦闘用鉄杭『ウッドペッカー』 [21/精度/保証]《装備:6》 火力[1704] 連撃数[1] 防御属性[粒子] 防御値[732] 精度[16] 貯水量[267] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[91] 金額[366] 弾薬費[140] 重量[100] [物理格闘] *作者* |
▼詳細 |
12 | 素材 | アンテナ22 [22/索敵/---] 特殊B[120] [素材] |
▼詳細 |
13 | 操縦棺B | デトリタスポッド [20/重量軽減/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
14 | エンジンA | 試作型エネルギー変換器『AR-001』 [20/重量軽減/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
15 | 粒子ブレードA | 試作型高機動用粒子ブレード [20/機動/---]《装備:11》 火力[1053] 連撃数[1] 防御属性[電子] 防御値[540] 精度[87] 貯水量[175] 弾数[9999] 武器属性[漏出] 異常追加[30] 消費EN[360] 金額[360] 重量[150] [粒子格闘] *作者* |
▼詳細 |
16 | 素材 | 消火装置21 [21/耐火/---] 特殊B[100] [素材] |
▼詳細 |
17 | 頭部B | プロトレーヴェタイプヘッド [20/耐粒/耐物]《装備:3》 | ▼詳細 |
18 | 素材 | 軽量化プラン22 [22/重量軽減/---] 特殊B[120] [素材] |
▼詳細 |
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