ENo.0323　第306特殊試験部隊

男の名前はガレアードといった。
階級は中佐。防衛軍で特殊作戦を請け負っていたという。

中佐が着任してから変わったことは、所謂”待遇”だった。
表立って明かされてはいないが開発テストという名ばかりの少年兵を使った実働試験から
その趣旨は防衛軍が行えない非正規の特殊作戦要員育成に変わった……
変えたと語る。
ほぼ消耗品同然だった我々は中佐の計らいで部隊自体の雰囲気も変わりつつあった。
装備や設備…食事、給金等…
大きく変わったところは教育だ。
戦時下の口減らしと兵員確保のために集められた少年兵に対して（私もだが）
教育者を呼び基礎教育から受けなおさせている。
中佐いわく「軍人が個々の考えを持っては軍として機能はしないが、考えることも出来ない人間を集めただけでは軍は機能しない。」
そんなこともわからないからいつまでもだらだらと戦いを続けているのだ、と……
少年兵達も、私も変われるのだろうか……

残像領域での戦いの前。
出撃の際にコクピットハッチを開けて中佐の檄が飛ぶ。

「残像領域での仕事はテスト任務であるが実戦を続けていくことに意味はある。
　楽な任務だが気を抜くな……以上だ。」

専用機の調整がまだである中佐は我々のと同型を改修したものを使われる。
我々と同様……新たに肩へ描かれた獅子のエンブレムと共に……

我々アフラムインダシトリィは
城塞都市キルガールを拠点にする企業ユニオンです。
歴史は古く自由都市時代からの重工業産業の組合を基としており
現在は軍需重工業に切り替えてキルガールの防衛軍受注を中心に生産を行っています。
当領域等には現地での需要調査、およびウォーハイドラパーツの研究開発試験
並びに販売を目的として今回は参入させていただいております。
どうぞよろしく。

■今回のお知らせ。　[第５週]
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
現在企業連は月の谷へ向けての進軍、またハイドラ大隊の派遣等
情勢が動いている時期となって参りました。
我々としてもこの混乱を良しとしないものではありますが
出来ることも少なく、通常の営業活動を続けさせていただきます。
さて今回は大型ソナーの開発テストが行われましたが……