ENo.0044　ロウシャ・ゼイルストゥラ

　……

　ロウシャは思わず飛び起きた。
　しかし、どうしてここまで心拍数が跳ね上がっているのかまではわからなかった。
　覚えているのは奇妙な夢を見たことだけで――

　彼が困惑しているとカーテンを開けながらザック――ロウシャの主治医である男が顔を出した。
　どうやらここは、病室のようである。

　「ああ、起きたんだね。……って、どうしたのその顔？」
　「どうしたって――痛っ」

　火照るような感覚に、思わず左頬に触れる。指が触れただけで不快なほど痛んだ。どうやら腫れているらしい。

　「なんだよこれ……」
　「ええ……覚えてないの？っていうか、それはもう明らかに殴られたんじゃないの？」
　「はあ……？殴られた？」

　怪訝そうな顔をしたザックから鏡を手渡されて、ロウシャは眉を顰めた。


　頬の赤みは、あまりにくっきりと、人の手の形をしていた。



　- vital signs -

　T : 35.9
　P : 79
　R : 114 / 79
　BP : 16

　どうやら俺は撃墜されたらしい。
　左足の脛が骨折、その他全身に打撲……と、あとなんでか顔が腫れてる。
　
　このぐらいなら3日で治る。

　

何らかの理由によりハイドラに縛りつけられたライダーが集まる。掃き溜めとも言う。
　
一部メンバーの素行不良により世間からの評判は芳しくない。

音楽専念。