ENo.0276　ローデット・ダイス

鋼鉄のコロッセオ
君たちの戦いをダシに賭けを行うようだ。気にせず全力で戦ってほしい

それが今回の戦いの場所だった。

「～♪」

「なんだ、えらく上機嫌じゃないか」

「そりゃあ自分でも想像以上の仕事ができたんだ、上機嫌にもなるだろ」


ダイスにしては珍しく、機嫌良さそうに鼻歌を歌っていた。
コロッセオでの名がまた上がりつつ、そのブロック内で索敵の数値がずば抜けていた。
調子もよく、何度か大成功を行うこともでき十分な支援と言えただろう。
この調子が引き続き続いてくれるとありがたいのだが。


「酒も飲めるようになったんだ、軽く一杯いきたい気分だね」

「あー、酒飲む前にどうせならメンテさせてくれよ」

「お前、人が上機嫌な時にそういうこと言うと嫌われるぜ？」

「悪かったな。ただ気になることがあってな」

「気になること？」

「お前最近眠そうにしてないか、酒が飲めるようになったからそこら辺からか」


時折、眠そうに欠伸をすることが増えたという
本来ヒューマノイドならば眠ることさえ必要かどうかも怪しいものである。
じゃあ何故眠るのか、と聞かれたら答えは簡単
一日中起き続けられるほどの身体は持ち合わせていても精神は持ち合わせていない。
眠いと思う時は眠い、ただそれだけだ。
そんな人物が欠伸をし出したのだから、メンテナンスをする側としては不思議に思うだろう。
例えば前のメンテナンスをした時に何か失敗をしてしまった、とか。


「……まあ、一理あるっちゃあ、あるな」

「だろ？こっちの腕が悪いって言われたらたまったもんじゃないからな」

「っつっても、悪いが酒飲みに行かせてもらうわ、メンテはまた今度な」

「あっ、おい……！」

「いいだろ、今回くらいは譲れよ。楽しみを奪うなって」

「仕方ねえな……」


じゃあまた来るわ、と手をひらりとやるとダイスはその場を去っていった。
そうしてまた、彼女はふぁ、と欠伸を一つした。

とあるものを求める為の集まり場。
それが何であろうと構わない、情報収集の場でもある。


制御*5、ユニオン購入は適当