ENo.0205　エイブラハム・ブラックウッド

ブラックウッドの報告書ならびに個人記録ファイルから抜粋



残像領域での戦闘には不可解な点が多い。
敵性勢力は常に中隊規模の戦力を有しており，
対する傭兵部隊も同程度の戦力を投入する。
この数ヵ月，無意味な消耗戦を繰り返しているだけだ。
ゲリラの掃討戦だというのなら頷けるのだが…。




戦果に応じた報酬も，大半は整備費と機体の改良に充てられる。
誰かが笑いの止まらなくなるほど儲けているのだろう。
金に興味は無いが，こうして踊らされるのは面白くない。
それでも引き金を引く理由があるだけマシか？
ゴミグズの溝鼠野郎が，糞喰らえ。

アイランズ退役少将が設立した民間軍事会社(PMC)。
旧軍部の腐敗を象徴するかのごとく，多くの軍需物資が横流しされ，運用されている。
特に旧式の兵装や，大規模派兵後の余剰装備，正式採用の見送られた試作品など，
行き場に困った装備の数々が流れ着く先として，重宝されているようだ。
結果として，旧世代の装備が中心ではあるが，PMCとしては十分すぎる装備を有している。

所属する社員は傭兵だけでなく，退役した軍人，逃亡中の罪人など多岐に渡る。
また，旧軍部で近しい位置にあった者を数多く引き抜いて戦力に加えている。
さらに，孤児や難民，人身売買された奴隷など行き場のない人物を兵士に仕立て上げ，
使い捨ての駒にするなどの蛮行が平然と行われている。