ENo.0071　パアム・ライザ

いつの間にか、娘は私と同じ道を志していたようだった。
娘の一生を決める大事な事柄を殆ど把握していなかったとは、全く、親としては失格と言っていいだろう。

だが、ともすれば縁故採用と言われかねない彼女はしかし、目覚ましい活躍を担ってみせた。

まず彼女が提案したのはナノマシンによる寄生者への改造だった。
ナノマシンは寄生者の脂質、タンパク質を無理矢理に消化し、自らのエネルギーとする。
その消費エネルギー量が莫大であることが懸念の一つであった。
ならば、貯蔵をするべきだと。彼女はそう提案した。

しかし、ナノマシンは特殊な体液とも言える有機流動体を分解、餌にすることで稼働していた。
それが生物に移植された途端、生物自身のタンパク質、及び脂肪を餌とし始めたのだ。
特殊流動体は、機体重量を鑑みて最低限の重量とされていたが、

「――単体のグルコースの方が効率が良いのでは？」

そんな馬鹿な、と誰かが言った。
ナノマシンは精密機械も精密機械。極度に理論化された上で運用されている。その結果が様々な成分を配合した有機流動体だ。

しかし、一考の余地はある。我々はすぐに準備に取り掛かった。


――――彼女は、ナノマシンを「この子」と呼んだ。
　開発チームの中には既にナノマシン、及びナノマシン集合体を一種の生物とみなす者はいたが、
彼女がチームに入ってからは、それが殆どの研究者に伝播していった。

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……んっ。

ぐ、と左腕を伸ばす。
右足を横に投げ出し、左足を支柱にし、体側面の筋肉を伸ばす姿勢。

両手足が無く、残ったのが左肘までであっても、肩は凝るし、背中も凝る。
前に大きいものをぶら下げていれば、なおさらだ。

身体を動かすと、お腹が減る。ストックを減らす前に食べて補充しなければ。


プレディが活動するためのエネルギーは、その殆どを機体に貯蔵している。
だが、私の手足となって行動するためのエネルギーは、私の身体――主に胸部に、貯蔵されている。
正直、私も女であるからして、胸部が大きくなる事は悪くない。
が、これが私の命の残量だと考えると、あまり素直に喜ぶ事はできない。

プレディ自身もなるべく消費を抑えるようにしてくれているようだが、あまり過信はしない方が良いだろう。

……私の手足になることを、彼は"贖罪"と言った。

それに関して、私はどうこう言う気は無い。

ただ、何時か、私の肘から手前が、義肢になる日も近いのではないか。
そう、思う時はある。

言葉はわからなくても作るものなら心は通じる。
そういう人たちの組織がここ「グロッソラリア」
制御とか整備が好きな人はおいでください。
どちらか一方だけでも結構！
作れ作れ！

※ユニオン活動は制御２　整備３です。
RPとかはするかもしれません