ENo.0062　非モテの狂った女

妙な説明書を読みながらヒモテーが気持ち悪い顔をしている。

「ぬふふ・・次元潜航とやらの技術・・私も使わせてもらうときが来た」

そう言うと説明書を閉じ、意気揚々と機体を改造し始めた。

小一時間後

「オッケー完成だよぉﾊｧﾊｧ」

コックピットの座席の裏に、Y字に謎のチュービングが施された奇妙な盤が据え付けられている。 次元転移装置 と銘板が貼られているようにも見えるが・・

「説明書によると88mphに達するとぶったまげる事が起きるらしい・・ふむふむ、やってみよ」

ｶﾞﾁｬﾝ・・ｷｭｷｭｷｭブロロロロォオオオオ・・・ピカッ

走り出したヒモテーの改造車両が88mphに達した瞬間、機体が青白い光に包まれ消し飛んだ。
そして入れ替わるように同じ空間から灰色の別の車両が飛び出す。

ｷｭｷｭｷｭ・・・ｺﾞｳﾝ・・・・ｳｨｲｲﾝ

「はぁあ？突然目の前が真っ白になったと思ったら・・・どこだいここは？」

車両から現れたのは、ヒモテーと同じ髪の色をした、若い女だった。

ユニオン名：ジャンク・パックス
　（勇ましい口ぶりの、低く加工された声がラジオや通信機から響いている）
　（どうやら、プロパガンダ……のようなユニオン参加の呼びかけだ）

　《集え同胞！　ジャンクの大地に産まれ、スクラップを食む獣たちよ！》
　《今こそ『群れ（パック）』を為し、敵を食い荒らす時だ！》


概要：
　いわゆる傭兵たちの為のユニオンです。
　目的の一つは「他のハイドラをぶっ壊してスクラップにして、スクラップを売り払ってお金持ちになろう！」
　そしてもう一つは「ジャンクみたいな機体で気取った金持ちたちを叩きのめしてのし上がろう！」です。
　雰囲気としては共産主義みたいな感じです。でもやってることはバリバリ資本主義。

　設立者がジャンク屋なのもあって、ジャンク品や廉価なパーツ、泥、ツギハギ、硝煙、戦場……
　その他モロモロに縁深い人にオススメです。もちろん縁がない人もオールオッケー。